第21話 ファッションアドバイス!

「まなちゃん!かやちゃん!」

「おー、つーちゃん、時間通りじゃんか」

まなちゃんと、かやちゃんはニコニコしながら手を振っている。

「んー、予算はどれくらい?」

「3万円……くらいかな」

「じゃあ、十分だね。」

「んふふ。楽しみだー」

まず、服からだねー、と言いアベイ○に連れていかれる。

「アベイ◯ならいろんなテイストの服が試せるからジャンジャン着ていこー!」

まなちゃんはグーの手を天に掲げ、えいえいおーという感じのジェスチャーをする。

***

「うーむ。セクシー系に可愛い系、量産型、ボーイッシュ……どれにする?」

大量のハンガーを手に、まなちゃんがズイズイと迫ってくる。

「え?どれにするって言われても……」

「まな、その言い方じゃつーちゃんが迷うよ。」

かやちゃんは、フーとため息をついた。

「えー?」

「つーちゃん、例えば、憧れの人とかいる?」

「憧れの人?」

「うん。自分がこうなりたいって人。その人のテイストに近づけよう」

「私は……その人になれるわけじゃないし……」

「何言ってんの?その人そのものになるんじゃなくて、真似をするだけだよ」

「真似?」

「そそ。核、つまり、心の部分は変えなくていいの。この人ならどんな服を着るかな?メイクをするかな?ってとこでいいの」

「私は……」

「いつも見てるYouTubeのチャンネルの人や、インスタフォローしてる人はいる?」

「え。と、この人」

と言って、画面を見せた。

その人の画像を見せた時、2人はきゃーと黄色い声を上げる。

「いいじゃん!それで行こう!」

まなちゃんは目をキラキラさせる。

「え?え?変じゃない?」

「全然。なんか、つーちゃんらしいなって思うよ。」

「うんうん。たった2年間だけの付き合いだけどさ、つーちゃんがそんな感じがいいのはなんとなくわかってた。今更驚かないよ」

「よし!引き継ぎ、つーちゃん改造計画再開だね!」

「ひぇぇ……」

両腕を2人に引っ掴まれ、ずるずると引きずられていった。


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