プロローグ

荒野に無数の機械生命体と、1人のがいた。


機械生命体達の名は『レッド・スプライト』。


人工知能を持ち、ガーディアンとしてこの地を徘徊していた。


故に、レッドスプライトの1人は少年に問う。


「小僧。私たちが何者か知った上で戦いを挑むのだな?」


たった1人の少年は、多数のレッドスプライトに立ち向かうらしかった。


少年は特徴的なアホ毛を揺らしながら、応答する。


「そうっす。キミたちにはこれから、僕に殺されてもらうっす」


淡々と抑揚のない声でそう言われたレッドスプライト達は、人間のように驚いた。


そして愚かだと感じたのだろう、馬鹿にするような口調で返答した。


「ほう……お前が? 私たちを? 笑わせるな」


「僕はキミたちより強いっすよ? 何がおかしいんすか?」


やはり淡々と、それでいて自信がある口調で少年は言う。


その態度が、レッドスプライト達の怒りを買うことになる。


「後悔するなよ小僧っ!!!」


一斉にレッドスプライト達が、少年に攻撃を仕掛けようとした。


その時、どこからともなく機械音声が流れた。


『ジェノサイドモード、起動』


それが流れた後、少年の左眼が赤く光った--。


小1時間、いや1時間も掛からなかったかもしれない。


少年は彼らに勝ったのだ。


当然のように、荒野には無数の機械がゴミのように散らばっていた。


ただ1人、そこには少年が突っ立っていたのだ。


そして少年の顔には満足したような、恍惚とした表情が浮かんでいたことは、あの機械達が知ることはもう二度とない。

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