第1話 過呼吸
サトシの彼女はリナと言う。年齢は二十三歳。マッチングアプリで出会った。
今は夏の夜にクーラーをガンガンつけている。
「サトシ? 何かの見間違えでないの?」
リナがそう言うのもサトシがこの部屋で中年全裸男性の霊を見たと話したからだ。リナはケラケラ笑っている。
すると、どこからともなく、こんな音が聞こえてくる。
パン、パン、パン。
パン、パン、パン。
パンパンパンパンパンパンパン。
それはケツドラムのような音である。
すると、部屋の電気が落ちる。
そして、中年全裸男性の霊が二人の前に現れたのである。
リナはあまりの恐怖からか過呼吸になる。
パンパンパンパンパンパンパン。
サトシは確認する。
中年全裸男性の霊がケツドラムで三三七拍子をしていることを。
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