チンチラ転生~前世でチンピラだったはずの俺がチンチラに転生!こうなったらモフモフな可愛らしさでのし上がってやる!~
都鳥
癖になったらどうしよう
それは突然の出来事だった。
おいおいこういうのって、普通なら何かきっかけってのがあるもんじゃねえか?
頭をぶつけたとか、熱を出したとか、トラックにひかれたとか。
いやいや。この体でトラックにひかれたら死んじまうよな。ハハハッ。
って、ハハっじゃねえよ(一人ツッコミ)
こ、こんなタイミングで『前世の記憶』を思い出したなんて、誰にも言えやしねえ。
きゅぽっ(おうふっ)
「うん、お熱はないですねー」
ちょっと天然そうな女性看護師(胸は大きい)が体温計を確認しながら言った。
診察台の上から鏡に映った自分の姿を改めて確認する。
俺が人間だった時の記憶は、別のグループの奴らと派手に喧嘩をしていたところで終わっている。
おそらくそん時に死んじまったんだろう。
自分で言うのもなんだが、俺はいわゆる『チンピラ』ってヤツだった、はずだ。
でも鏡に映った姿は明らかに違う。
人間ですらない。ウサギ……か何かか? それともちょっと違うようだ。
みたことねえ生き物だ。目がくりっとしていて、体はやたらとモフモフしてやがる。
「せんせー、チンチラちゃんの検温終わりましたー」
巨乳看護師が呑気そうに声をあげる。
なるほど『チンチラ』というのが俺の種族らしい。
って、チンピラがチンチラに転生って、一文字違うやんけーー!!
びしっとツッコミを入れた手……いや、前足が相方の居ない空間を叩く。
「あら、手を振ってる♪ かっわいいーーー」
どうやら巨乳にウケたらしい。うん、まあいいか。
それにしても……
動物の体温って、ケツで測るんだな…… 知らなかったぜ……(むふっ)
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