ANNRAKU
辺理可付加
『ANNRAKU』
軽快でレトロな音楽と共に僕の目の前に現れたのは、
『ナマエ ヲ ニュウリョク シテ クダサイ』
のウインドウ。
このゲームは最新の医療用技術の応用により脳波で全てプレイする。なのでもちろんこの名前入力も頭で念じるだけで行われる。
『シンイチ デ ヨロシイ デスカ』
『ナマエ ガ トウロク サレマシタ』
流石だ。Aボタン連打より処理が早い。脳波を読み取ってるだけのことはある。
『ステージ ヲ コウチクチュウ デス』
あぁ、なんだか緊張するな、この待ち時間。自分から進んでやることにしたのに、いざ目の前にすると「このまま始まらなきゃいいのに」って思うこの心理。分かる人いるかな。
『コウチク ガ カンリョウ シマシタ』
待ち遠しかったような、見たくなかったようなウインドウが現れる。僕はプレイを開始する前に一度気を落ち着けることにした。深呼吸深呼吸。まぁ脳波をこっちに移してるから実際に肉体が深呼吸してるかは不明なんだけど。
僕がこんなに緊張しているのは前評判の
実はこれ、結構鬼畜なゲームなのだ。内容自体は普通の3Dシューティングゲームらしいが、クリア出来なかった人によるとこれが結構一筋縄では行かないらしい。ただ難しいだけのシューティングなんて今時流行らないと思われるかも知れないが、これが意外や意外、ある要素の斬新さが大人気を博していたりするのである。
まぁ御託はここまで。僕がこの難敵に挑む決心を固めるとゲーム側が脳波を読み取り、テーテテテーテテー♪ とかいうBGMと共にタイトルを画面(感覚的には視界)上部からスライドインさせる。
二〇四八年現在世界で二千万人以上がプレイした、その鬼畜さから人をして『絶望のシューティング』と言わしめるゲーム。その名も、
『ANNRAKU』
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