二四時間の幽霊

市井さぎり

零分の一

  「一日だけなら、地上へ降りて良いぞ。」

              ー私は、死んだー

 高校二年生のとき、信号が青の状態で渡っていたときに、信号無視の車が信号に突っ込んだことが原因だった。しかし、死んだのは私だけじゃなかった。

        ーもう一人、「植物状態」になった人がいたー

 私の友達の雄馬であった。私は、幼い頃に父と母を飛行機事故で失くした。それからは、母の親友であった雄馬の家にお世話になっていた。この日は、雄馬の誕生日を祝うための時計を買った帰りであった。

 私はすぐに天に召されてしまい、そのことをすぐに知ることはできなかった。

 そして神様は私に言った。そして私は地上に降りることができたので、考えなしに、とりあえず雄馬の家へ行った。そこで雄馬が植物状態になっていることを知ることができた。

 私は喜んで降りた。もちろん、この状態で生きている人と話すことはできない。が、私は見るだけで十分なのであった。しかし、雄馬のいる病院がどこかわからなかったので、見ることは叶わなかった。私は雄馬としか遊んだことがなかったので、クラスの子の家を一軒も知らなかった。

 隣の県の、一番思い出深い、よく雄馬の家族と両親と行った海にでかけた。透明なので、乗り物は乗り放題であった。


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