嫁が不倫した時に再会した後輩弁護士といい感じになっている俺の日常。
宮木 有栖
第1話 社畜系社会人、悠木優一。
どうも皆さん。
社畜系社会人の悠木優一です。
皆さんは、社会についてどう思っていますか?
やれ会社だの、やれ税金だの、やれ家庭がどうだのと学生の時と違い面倒臭いことが増える。
しかし、社会人たるもの出世のためにはそう言った面倒くさいことはそつなくこなさないといけない。
そしてそれは、家庭の事情も一緒だ。
男は、理想の父親になるために常に家庭のことを考えなければならない。
……しかし、嫁がそれを察してくれるかは分からない。
「ぐおおぉ……眠たっ。」
現在、22時を回ったところ。
俺は安定の社畜っぷりを発揮して仕事に勤しんでいた。
社内に残っているのは俺とあと二人くらい。
みんな目を虚ろにして仕事に取り組んでいた。
「よしっ、そろそろ帰るか。」
ようやっと仕事が終わった俺は荷物をまとめて家に帰ることにした。
さっさと帰らないと嫁がうるさい。
俺の嫁は専業主婦で、子供はいない。
なのに、何故か毎日家事を手伝えと口煩く言ってくる。
しかし俺もこんなことで夫婦の仲を悪くしたくないので言われた通りに家事をこなしている。
もちろん、一度口答えしたこともあるが『専業主婦は忙しいの! そんなに言うなら洗濯も料理もしないから!』だ、そうだ。
ちなみに、掃除は帰ってから俺がしているし、昼飯はコンビニ弁当で済ませている。
だがまぁ、前述した通り夫婦仲を壊したくないのでそこそこにこなしている。
「ただいま。」
「おかえり〜。お風呂先に入っちゃって。その間に晩御飯温めとくから。」
「はいよ。」
俺の嫁、悠木須美。
俺と同い年だが、見た目よりも若く見られることが多い……らしい。
高校からずっと一緒だからよく分からん。
「ふぅ〜。今日も疲れた……。だがまぁ、出世の為にも頑張らないとなぁ。」
歳を重ねるごとに、風呂が体に染みる。
銭湯におじさんが多いのは、おじさんになるごとに風呂が気持ちよくなっていくからだろう。
「でも、長く入りすぎるとフラフラになるから気をつけんとなぁ。おじさんは体力ないから。」
風呂から出て晩飯を食べる俺。
チラリと嫁の方を見てみると、スマホと睨めっこしていた。
最近、嫁がスマホと睨めっこしている時間が増えた。
別にやめろとは言わんが、その時間があるなら掃除はしてほしい。
仕事終わりの家事ほど、しんどいものはない。
「あ、私今週の土曜日家開けるから家のことよろしくね。」
「へーい。」
これもまた増えた。
嫁は最近家を開けることが多くなった。
……多分浮気している。だが証拠がない。
え? なら集めたらいいじゃないか? 社畜にそんな時間があるとでも?
いやまぁ、お金はある。若い頃から残業を頑張っていたおかげか、周りの同年代より出世が早い。
だから金はあるんだが……家計は嫁が管理してるのでどうにもならない。
「じゃあ私もう寝るね。おやすみ。」
「おやすみ。」
嫁が寝た後、俺は自分の晩飯を片付けてから部屋の掃除を始めた。
何より面倒臭いのは、嫁は掃除にうるさい。
窓の拭き方がどうだとか、畳で掃除機を使うなとか。
だったらテメェで掃除しろってんだよ。
「……そんなこと言えんよなぁ。」
なんだかんだ言っても、晩飯と風呂の準備してくれてるし、俺としてはいいかな。
浮気の件に関しても、夫婦の共有貯金に手をつけているわけでもないし、そのうち飽きるだろ。
俺はそう、甘く考えていた。
「……はぁ。俺も寝るか……。」
掃除を終え、今は深夜の一時前。
「寝よ。」
これが俺の日常。社畜系社会人の日常だ。
ー朝ー
「……。」
時刻は朝の六時。
社畜はアラームなしでも起きることができる能力を持っているのだ。
「それじゃあ、朝ごはんここに置いておくから〜。」
「ああ。」
嫁は基本、朝ごはんを作って二度寝する。
他の家庭がどうなのかは分からないが、うちでは基本こんな感じだ。
朝ごはんを食べた後、俺はスーツに着替えて仕事に行く。
「いってきます。」
俺は、誰もいないリビングにそう告げて家を出た。
家を出る時、ついでにポストを覗いてみると一枚の葉書が入っていた。
「菜花法律事務所?」
……俺、法律事務所なんてこの方お世話になったことないんですが……。
こういう広告って、その業界にお世話になったこともないのにくるもんなのか。
しっかし……菜花か……。
昔、そんな苗字の知り合いがいたような……。
……気のせいか?
「おっと、電車に遅れる。」
俺はバイクに乗って駅まで走った。
法律事務所……か。
「嫁の浮気も、相談してみるかな。」
あ、金がねぇんだったわ。
……同僚に相談してみるか。
まぁ、まだそんなに急がなくてもいいだろ。
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こんにちは。
ぼちぼち投稿して行けたらなぁ。と、思っています。
よろしくお願いしますm(_ _)m。
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