一途

 宮田は、以前神岡にぞっこんで、その後何となく俺に惚れてたこともある……んだと思う。


 そう考えると……ある意味一途か……??





(美容室「カルテット」でカット中)

宮田「三崎くん、今度デートしない?」

柊「……はあ!? あんたこの期に及んで何言って……」

宮田「僕と君じゃないって。当然だろ? ダブルデートだよ。君たち夫婦と、僕らカップルでさ」

柊「そういや、あんた恋人いたんだっけ……しかし何で急に」

宮田「いや、少し前に、君のスタイリングを巡って神岡さんと喧嘩みたいになっちゃったし。相変わらず君たちを妨害するみたいに思われてるのも気分悪いんだよなー」

柊「……そう言われれば、その辺スッキリさせといた方がいいのかな……」

宮田「じゃ決まり。お互いの都合いい日を調整しよう」

柊「ああ、わかった」



(ダブルデート当日夜、居酒屋で)

宮田「神岡さん、三崎くん。こいつが僕の恋人の桐谷 蓮です。蓮、こちらは僕の美容室のお得意様の神岡さんと三崎くん。神岡さんはあの神岡工務店の副社長で、三崎くんはそのハニー」

柊「(照れつつ)ハニーってなぁ……」

樹「まあ柊くん、いいじゃないか。少しも間違ってない。

(ホッとした顔で)それにしても宮田くん、驚いたよ。君にこんなに可愛い恋人がいたなんてね。桐谷くん、よろしくね」

桐谷「初めまして、桐谷蓮です! どうぞよろしくっ(きちんと挨拶してにっこり微笑む)」


樹「…………

『なんか……彼の笑顔とか雰囲気、すごく似てないか? 柊くんに……』」


宮田「こいつ、外ではしっかりしてるのに実はめちゃくちゃズボラで。僕がいろいろしてやんないと、部屋やらキッチンやらがすごいことになっちゃうんだよ、な?」

桐谷「そーなんです。片付けがハンパなく苦手で。優斗くんが異常なくらいオレの面倒見てくれるんで、もーいつも甘えちゃってるんですっ♪♪」


柊「…………

『……なんか、蓮くんすげー中身似てないか? 樹さんに……』」


宮田「ってことで、最高にラブラブなんです僕たち。だから安心してください二人とも。な、蓮♪」

桐谷「ね、優斗くんっ♪」



(解散後、帰り道)

樹「……

 何だかんだ言って、宮田くんて結構一途なんだなきっと……」

柊「……俺もそう思います……」



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