鯛焼き王子

(休日、郊外をドライブして公園を散歩)

樹「冬の夕暮れは、寒いけど美しくて好きなんだよな」

柊「今までちゃんと感じたことなかったけど……冬は、夕焼けがすごく赤いんですね。周りの風景が影に変わっていく様子と空の色のコントラストが、ほんとに綺麗だ……。

 でも、寒い!(ぶるっと震える)」

樹「ん、大丈夫?」

柊「……日が陰ったら、急に寒くなりましたね。日差しが当たるところは、まだあったかいのに。……うう、さむ……」

樹「……あ。柊くん、こっちきて!(手招きする)」

柊「……?」

樹「(まだ陽のあたるベンチに柊を座らせる)ここにいて。すぐ戻ってくるから」

柊「え……」

(樹、どこかへ走っていく)


(数分後。何かの包みを手に、コートを翻して走って戻ってくる)


樹「柊くん、お待たせ! この近くにおいしい鯛焼き屋があるの思い出したんだ。寒い時は、お腹にあったかいものを入れるのが一番だからね。

 これ食べたら、鍋の材料買って帰ろうか」


柊「……『はぁ……俺の王子様……(//∇//)♡』」


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