奥の手

樹「うーん」

柊「どうしたんですか?」

樹「いや、今どうしても契約を結びたい案件がひとつあってね……瀬戸際なんだよ」

柊「あ、それ大菱不動産の件ですか? 俺もちょっと聞きました」

樹「なかなか相手も堅物でね。手こずってるんだ。

 ……仕方ない。奥の手を使うか」

柊「奥の手?」

樹「そう。今までの所、これでほぼ100%成功している」

柊「へえ、すごいですね。どんな方法なんですか?」

樹「僕が交渉の場に出向いて、相手の目を見つめながら手をぎゅっと握って、『あなたと一緒に仕事がしたい』と耳元で熱っぽく囁く……という方法だ」

柊「その方法もう二度と使わないでくださいっっっ!!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る