(二)-6

 俺と香が食事を終えると、愛生が戻ってきた。愛生は冷蔵庫から缶ビールを二本取り出すとテーブルにつき、俺と自分の前に銀色の辛口ビールの缶を置いた。

 そして愛生は、片手でプルタブを立てて缶の窒素ガスを抜きながら「説明してくれる?」と短く言って、向かいに座る俺と香の顔を交互に見た。

 俺は警察で保護されていた彼女を迎えに行き、仕方がないので連れてきたと言った。

 ともあれ、香を連れてきた理由は、それ以上は答えようがなかった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る