拝啓、余命手紙10通の君へ

琥珀糖の欠片

プロローグ

「誠にお気の毒なのですが…あなたの余命は

 手紙10通です。」

「てがみ…10通…?」

「はい、手紙の送受信合わせて10通ですね…」

病院でそう言われた。

ただの風邪を引いただけのはずだったのに。

呆然としたまま家に帰った。

そして、家の中で狂ったように暴れた。

ひとしきり暴れてから気づいたのだ。

手紙なんて滅多に来ないことに。

「あれ…?手紙って…手紙なんかよりメッセージアプリでやり取りできるし…あんまり使わなくない?てことは…私まだ生きれる…!!そんな心配しなくても大丈夫なんだ!!」と、踊って喜んでいたら手首の裏に数字が浮かんでいることに気がついた。その数字はもちろん、10だった。

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