せっかちな熟語たち

 ミナキマサオは、時々せっかちさんになる。気分に追われてとっぴんしゃん……いや、急がなきゃという気分に追いまくられるときがある。そんなときに文字を書くと、ロクなことにならない。

 今どきは、キーボードやタッチパネルをぽちぽちすれば、漢字の変換候補がずらっと現れるので、その中から使いたいものを選べばよい。それでもうっかり気が急いて、いわゆる「誤変換」を選んでしまったりする。そもそも、正しい漢字の意味や使い方を知っていなければ、変換候補の中から正しい候補を選ぶことはできない。勉強ってやっぱり大事だ。少なくとも、漢字の勉強は手書きで行った方がいいなとミナキは思う(個人の見解です)。

 エラそうなことを書いておきながら、ミナキは手書きでもやらかす。たとえば、「説明」という熟語を書こうとすると、「説」という字のヘンと、「明」という字のツクリを並べて、ヘンテコな漢字を作ってしまうのだ。「言月」という字を書いてしまって、コレはいったい何だと頭を抱えるハメになる。どれだけせっかちなんだ。落ち着いて書けミナキ。

 もっと困るのは、そのヘンテコな漢字が、実在する場合である。「酢酸」という熟語を書こうとした、としよう。ミナキは、「酢」という字のヘンと、「酸」という字のツクリを、並べて書くのである。「酸」。あれっ酢酸と書いたハズなのに酢の字どこ行った、となるのである。お間抜けサンである。さらにヒドイのが、趣旨とは違う字を書いてしまって、趣旨がどこかへ失踪してしまうパターンである。「詩情」と書こうとして、焦って書いた字は、「詩」のヘンと「情」のツクリを並べて「請」。せっかちなミナキは、書きながらも思考がどんどん先へ行ってしまうので、手元のメモを見て「アタシ何書こうとしたんだっけ? 何を請求しようとしたんだっけ?」とフリーズする。もはや思考が迷子どころか支離滅裂である。何がしたいんだミナキ。気を確かに持てミナキ。

 結論。せっかちな気持ちで文字を書くと、ロクなことにならない。落ち着いて書きましょう。

 皆さんは、そんな経験ありませんか?

(ナインジャナイカナ……)

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