この〜KYな奴〜!!

@abeyu6629

第1話 KYな奴

「おい!お前、何をしてくれてるねん!」

「何かしましたか?」

「そうやないか。お前、そのカワイイ箱をボコボコと叩きやがって!テメエのドタマどついたろか!」

「こんな箱の何処がカワイイんです?俺の方がよっぽどカワイイと思いません」

「アホか!お前の頭、鏡に写してみい。この辺の何処にでも転がってるおっさんの顔しか映らんわ。猿やったら何処の猿か見分けつかんわ。よその猿と同じ。違いのないその辺のやつや」

「そんな事おませんで。いつも朝パンこうてる店のおばちゃん、あんた、ええ顔してるな〜って、ゆうてくれますけれど」

「ボケ!オバハンは営業でゆうとんじゃぁ。本気と違うわ。このボケナスが」

「そんな事言われても。俺もそうやなぁ、と、思ってますのに」

「もう昼や、はよ起きろや」

「もう、目えパッチリしてますが」


「ええか!お前のど頭叩いても膨らむか、涙こぼすぐらいしか無いやろうけど、このカワイイ箱がお前に叩かれたら、金が減るねん。分かったか。今度叩いて泣かしてみい、お前の頭が凹むか、膨らむか、勝負しようやないか」

「怖い事言わんとってください」

「何〜ぃ!逆らうか?プッ!この拳がみえへんみたいやな」


「アッ、イタタタ!」

「えっ!何?叩きもせんのに痛いと言いやがって、このボケが」

「すいません。お腹が痛くなって。トイレ行って来ます」

「お前、いつも怒られて逃げ場なくなるとトイレ、トイレ、言いやがって」

「でも、こんな所で出来ませんもん」

「ふん!ここでしてもいいぞ。早よしいや」

「ホンマによろしますやろか?」

「ああ、俺が許す。さあ、ここでケツ出せ。この俺が直々にケツに蹴り入れたるから。さあ、出してみい?」

「そんな。蹴り入れられたら、穴が大きくなってしまうと、思いますか?もしかしたら穴が二つになってしまいますやろか?そしたらどっちから出ますのやろ。どう思います?」

「アホ!知るか。さあ蹴ったるから出せ」

急に腹を抱えて地面にへたり込み、うつむいたまま、苦しそうに声を出す。

「あぁ!もうあきまへん。トイレまで持ちませんわ。ここでさせてもらいますわ」


「分かった。分かった。俺の負けや。早う行ってこい。このボケナスが〜!」

そう言われたら、何も無かったかのように、急に立ち上がりさっさと走り去って行く。

「あいつには勝てんわ!空気は読まない演技派やし、暖簾に腕押しや。いっぺんケツに蹴り食らわせてやりたいわ」

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