本編
S1 アイリスオンラインⅢの世界にようこそ! 8月6日
――アイリスオンラインⅢ――
「ご購入ありがとうございます。このゲームはフルダイブ型MMORPGになっております。当ゲーム世界では、1日この世界で生活すると、1時間の時間が経過します。ログインする場所には十分お気をつけください」
▶ナイトキャップにウサミミをした妖精っぽい少女が目の前に現れます
ウサメリ「アイリスオンラインⅢの世界にようこそ!私はウサメリ!これからアイリスオンラインⅢの世界に潜り込む為の、キャラメイクを一緒にやっていきましょう!」
ウサメリ「先にこの利用規約の書類に判子を押してね。面倒なら見なくてもいいわよ」
▶ウサメリに書類を手渡されます
???「利用規約見なくていいってゲーム側から言われることあるんだ」
???「所詮流し見しかしてないけどさあ」
ウサメリ「ありがとう!じゃあキャラメイクしていくね。私は鏡になるから、何かあったら呼んでちょうだい!!」
▶ウサメリがどんどん姿見鏡になっていき、自分の姿が映るようになります。空中にキャラメイクUIが浮かび上がっていき、スライドバーをいじることで体型や身長、見た目がほぼ全ていじれるようですね
――しばらくして
ウサメリ「本当にこれでいい?変更したい時はマイハウスを手に入れてから、姿見鏡を覗き込んで課金する必要があるけど……」
???「ほーい。まあなんかあったら変えるし」
ウサメリ「では、夢と幻想の大地!アイリスオンラインⅢの世界にようこそ!私のことを見かけたらよろしくね!!」
▶目の前が自分とウサメリしかいなかったのが、奥に小さく光が見えるようになります。歩いていくと光はどんどん大きくなり、気づくと森の中に建っている塔から自分は出てきていました
――??? 初心者の塔――
▶少し歩くと橋があり、下には清流が流れているようですね。辺りに街などの気配もありません
???「はえーひっろ。と言うかこういうのって村とか街に飛ばされるもんじゃないんだ」
▶横を見渡してみると、今始めたてと思われし人が何人か他にもいるようですね。頭の上に名前が表示されており、その隣に金の葉っぱがついています
ヴィオーラ「ほんとに現実に歩いてるみたいだわ……すごいわね」
リモ「……木にも触れるのか」
アトリ「すっごーい☆噂には聞いてたけどこんなにリアルなんだぁー☆」
ソメイユ「おお~、これはすごいな~。自由に動ける~」
▶どう見ても凄い顎髭のエルフっぽい人や、木を殴って痛そうにしているシスター。全身真っ赤の人に羽根でふわふわ飛んでるサキュバスっぽい人のスーパー怪しい軍団ですね。非常に目立ちますが、彼女達以外には人はいないようです。
???「キャラ濃っ。漫画か?」
リモ「なんか……視線を感じるな……?ん?」
▶怪しい一行が各々他人の存在に気づいた頃、向こうから和服狐耳の幼女と、金髪で清楚な見た目の美少女がこちらに向かって歩いてきます
旗風「初めまして。私は旗風です。UIにある範囲会話モードというものにしていただけると嬉しいです」
アトリ「おろ?こうかな?あーあーマイクテス☆マイクテス☆」
ヴィオーラ「え、範囲会話モード……どれどれ……あこれ?」
リモ「……」
旗風「単刀直入に申し上げます。私達とPTを組んでいただけませんか?街にいる方は既に何かしらのPTに入っていまして……」
???「はあ、みんな手が早いんすね。そんなクラス替え直後の教室みたいな」
ソメイユ「こういうところはちゃんとゲームだね~」
ヴィオーラ「PT! もちろん歓迎だわ!」
リモ「……おいおいおい。こんなふざけた格好したやつらとPT組めってか?冗談じゃねーぜ。よく見ろこいつらを。全身真ッ赤なやつだっているじゃねーか!そもそも私はこいつらのことまだ何も知らねーぞ」
アトリ「えー?可愛いでしょ?このアトリちゃんスペシャルマジカル☆レッド魔法少女服!」
旗風「いえいえ。その名前の隣についてる金の葉っぱがあるじゃないですか。それは優良プレイヤーの証でして。私にはほら、その……」
▶名前欄を見ると確かに旗風と隣の美少女、アリシアには葉っぱがついていません。周りの怪しい人たちにはついているようですね
ヴィオーラ「これそういう意味があるのね」
リモ「この優良ってのはいったい何なんだ……?」
アリシア「アイリスオンラインⅢに適した人間らしい。まあ基本はキャラメイク時の素行で決まるらしいな。ステータスなどに補正がかかるんだと。あ、俺はアリシアね」
▶アリシアが甘ったるいロリボイスで気怠げに喋りかけてきます
???「それ普通にやってたら付くんじゃ。何やったんすか逆に」
アトリ「つまり~☆選ばれし魔法少女ってコトだね☆」
旗風「本当に激レアなんだよ!?街に行っても1人しかいないくらいで。なんで4人も5人も一緒にいるとか本当に初めて見たくらい!」
ソメイユ「ごくふつ~にやったつもりだけど……謎だね~」
ヴィオーラ「え、初めてなら誰でもつくんじゃないのこれ」
リモ「ってことは何か?機械判定とはいえ、このマークがついてるやつらは少なくともどこの誰ともわからねーやつよりは『まともな』人だと。色々複雑な気持ちにさせられるが……」
アリシア「くっそ激レアだな。俺もこんな揃ってんのは初めて見るわ。初期勢なんだけどな、これでも」
???「見てる限りじゃレアっぽさ微塵もないけど……、まあ別にいいっすよ。入ったばっかで右も左もでしたし、むしろお願いしたいくらいかも」
リモ「まぁ、この一回でこれからずっとってわけでもないだろうし、いいだろう」
アトリ「アトリちゃんもオッケーだよ☆」
旗風「あ、ありがとう……!じゃあ私のステータス欄にある「カンターレ」ってところ押してもらうと入れるから」
▶旗風はステータス欄を一行に見せます。カンターレの参加申請のボタンのようですね
ヴィオーラ「「カンターレ」ってPT名なの? 歌うって意味よね、良い名前ね」
アトリ「はいはーい、ポチッとな☆」
ソメイユ「歌か~。わたしの歌配信はなんでコメントなくなるんだろうな~?まぁ今は関係ないけど~」
アトリ「それじゃーさっそく自己紹介だよねっ!私はアトリ・ペパーミント!正義の魔法少女だよ☆」
リモ 「……リモンチェッロだ。さっきはいきなり見た目からふざけた格好したやつとか言って悪かったな。アトリとか言ったか、長く続くかは知らんが、このPT入ってる間だけかもわからんが、……なんだ。――よろしくだ」
さくころ「さくさくころもです。呼びにくいと思うんで、ころもでいいですよ」
ヴィオーラ「えーと……一度に6人も覚えるの、大変ね。私はヴィオーラ。あなたは?」
ソメイユ「はいは~い。わたしさんはソメイユさんですよ~、よろしくね~」
アリシア「ギルド名は語感だけで決めたんだがな。出来たら長く付き合っていけるといいな。あ、俺は男だから中身が男女どっちだろうと女アバター使ってんならよってくんなよ」
旗風「ガチ恋距離?に弱いみたいですよ」
リモ「なんだぁ?お前女性が苦手なのか、これからよろしくしようってんだ。肩組んで敵陣突っ込むぐらいはやってくれねーと困るぜ」
アリシア「バカいえ。砂糖になる可能性を減らしたいだけだっての」
さくころ「俺も男なんで似たようなもんっすよ。よろです」
アトリ「さくころちゃんにアリシアちゃんにはーちゃんにヴィオーラちゃんにソメイユちゃん!覚えたよっ☆」
旗風「え、えっと……。街に向かう間この世界でのある程度の暗黙の了解を教えとくね」
――ドリームランド近辺 森:初心者の塔付近――
▶一行は獣道に入っていきます。道路がなく、どんどん藪になっていきますね
旗風「昔は初心者さんもね、普通に一定の隆盛がある街に自動でポップさせられてたんだけど……。その、リスキルとか人身売買がとても多くて……」
さくころ「それ別に街じゃなくてこの辺張られてたらまずくないっすか?というかこっわ」
ソメイユ「わー……結構ヤバいゲームなんだね~」
アリシア「葦名グループのお嬢さんがな、視察って名目でログインしてきたらその場で奴隷商に首輪繋がれそうになってな。「ふざけんじゃねーですわよ」とかなんとか言って商人全員ぶちのめして、その日のうちにこんな感じのランダムポップになったんだわ」
旗風「だからギルドメンバーが欲しいならこういう山奥に遠征して、運良く見つけないと見つけれないの」
ヴィオーラ「もしかしなくてもお二人とも結構ベテランさんだったりする?」
アリシア「初期勢ではあるからな。ま、2人共戦いじゃなくて内職で食ってるから雑魚っちゃ雑魚だわ」
旗風「あっ!えっと、ここのアイリス貢献制度ってところ見てもらってもいい?」
▶旗風はUIを駆使して、アイリス貢献制度っていう項目を開きます
アリシア「あーそうだな。えーっと、さくころさん。そこの白い花摘んでみてくれるか?」
さくころ「えーっと、これですかね」
アリシア「そうだな。それを俺に渡してくれ」
さくころ「どぞ」
▶さくころの頭上に、ピロンと2ベルと出てきます
アリシア「これ、そこそこレアな花だからな。売却したらそれなりの利益になるんだわ」
旗風「もう一度アイリス貢献制度っての、見てもらっていい?」
さくころ「へえ。割と何やっても上がる感じですかねこれ」
リモ「金か!?金になるのか!?」
▶PTで見ると、1円が引き換えれるようになっています
アリシア「いや、これは俺が商人だからだな。本来は街でNPCのやつに渡す必要がある」
旗風「ギルドで一括管理だけど、お金に引き換えれるのは個別になってるからPTを組むのがとってもお得なの!だからずっとPTになってくれるひとを探してて……」
さくころ「なるほど」
ソメイユ「ほえ~。なるほどね~」
アトリ「お金は大事だもんね☆」
アリシア「だから君達も1円が引き出せるはずだ。まあ1円とか誤差にしかならんがな」
旗風「基本はこういうところにいるモンスターを倒して、その素材を売り払うとベルも稼げるし円も稼げるって感じなの。それとは別にその毛皮とかで洋服作って、売り払ってもこれはこれで稼げたりするよ」
アリシア「今まではこいつが糸を買ってきて、それを縫ってセーターとかマフラーにしたやつを俺が売り払って利益にしていた。だいたい月2万くらいだな」
旗風「でも、PT組めるならちょっとした遠征とかも出来るし!弱いモンスターならなんとか倒せるはずだから……。月10万も夢じゃない!!」
アトリ「つまりキャラパーツで2回天井した分も取り戻せるってコトだねっ☆」
ヴィオーラ「そういえばモンスターってまだ出てないけど、この辺だとどんなのがいるのかしら?」
アリシア「この辺だとうさぎとか鳥だな。猟師っぽいことをやってるやつが銃ぶっ放してるから誤射が怖いかもしれん」
旗風「PT組んでると当たらなくすることが出来るよ」
ヴィオーラ「嘘!? 他のキャラの攻撃も当たるのこのゲーム!?」
ソメイユ「そういえばフルダイブってことは敵の攻撃とか当たると痛いのかな~?ちょっとこわいな~……」
リモ「……今は?」
アリシア「設定しないと当たるな。オプションの項目にあるからオンにしといてくれ」
ソメイユ「そういうのはしっかり設定しておかないとね~」
リモ「それも個別設定か。……ヨシ!」
アトリ「設定ポチポチ~☆」
ヴィオーラ「どこどこ……当たらないように……当たらないように……」
旗風「この辺で一番近い街はドリームランドですね。かなり初期からある街で、まあ一番発展はしてると思います」
アリシア「精算には便利だけどな。流通のこと考えなくていいし」
▶そうこうしていると、どこからか声が聞こえてきます。どうやら全体チャットで会話をしているようですね
???「おい!本当にこの辺りに初心者の塔があるんだろうな?」
???「あります。近くにオブジェクト生成を確認しました」
???「ならいい。やっぱジャストするんだったらビッチじゃなくて心の処女じゃねえとな。精神リョナしてステータスに刻むまでがセットよ」
???「死体も高く売れますので回収をお忘れずに」
???「俺は死姦の趣味はねえよ。やることやったら奴隷商行きだ。このは、アクセスしとけ」
このは「わかりました」
さくころ「鳥やうさぎよりよっぽどモンスターじゃん……。こっわぁ」
旗風「うわ……。一旦距離を取りますよ。まだ気づいてないようですし、詳しい話は後でします」
アトリ「逃っげろー☆」
ソメイユ「運営はああいうの対策しないのかな~?」
アリシア「寧ろ推奨だな。世界発展のためには悪役がいるんだと」
リモ「なーんか金の臭いがするぜ~?おい逃げるなお前ら。金だ。金の臭いがするんだあの会話には。ちゃんと聞いとけよ?」
さくころ「その金、どう考えても俺らっすよ……」
旗風「いいから逃げますよ!金より命です!」
リモ「あっ、おい……!」
▶旗風はリモンチェッロの腕を掴んで走ります
▶さくころ 忍び足
成功[人間振り直し]
▶ヴィオーラ 視線
失敗
▶アトリ ナビゲート
失敗
▶リモ 駆け引き
失敗
▶ソメイユ 哨戒
成功
旗風「あの人……この辺では有名なPKの、処女厨のユウガです。初期勢なのもあって、かなり強いんですよ」
アリシア「初心者狩りで生計を立ててるからな。対人戦だと化物のように強いらしい」
リモ「性根が腐ってやがる……」
さくころ「必要悪の域超えてませんかねそれ」
アトリ「本当なら『メッ』してあげたいけど、戦い方もよく分からないもんね☆」
ソメイユ「もしかしてクソゲーってやつ~?」
アリシア「街中だと一応決闘禁止があるから大丈夫だけど、殴れるの禁止されてるわけじゃないから暗殺とかもあるらしいな」
旗風「法律って大事……」
▶さくころ 逃走
成功
▶ヴィオーラ 聞き耳
成功
旗風「死んだ場合は初心者の塔に戻されるんですけど、なんていうのかな。熱湯を頭からぶっかけられたみたいな痛みが来る感じかなあ。あんまり死にたくはないなあ」
アリシア「初心者の塔の位置もバレてるし、万が一死んだら狂うまでリスキルが見えてる。できれば見つかりたくはねえな」
ヴィオーラ「まって、熱湯の感覚ってリアルの方?ゲームの方?」
旗風「リアルリアル。マジで痛いよ」
ソメイユ「ひえ~……やだな~……」
ヴィオーラ「いやあああぁぁぁ…………!!」
▶アトリ 心理学
失敗
▶リモ 声色
成功
▶ソメイユ 狩猟
ファンブル[生命15ダメージ]
ソメイユ「きゃっ……!うぅ……いたぁい……」
リモ「おいおい大丈夫かよ。おぶってやるから遅れるな。早くしろ」
ソメイユ「ありがと~……。やっぱりある程度痛いんだね~……」
旗風「あっ……」
▶旗風が小さく指を指します。指した方角を見ると、ウサメリがたくさん飛んでいます
アリシア「ハエが飛んでるな……まずい」
旗風「あのウサメリが飛んでるってことは、あそこで集団が死んでるってことなのよ。あれを見てハイエナも集まってくるし……」
▶更に森を進んでいると、目の前に【処女厨の】ユウガが現れます。どうやら名前に金の葉っぱはついていないようですね
ユウガ「こそこそ隠れやがって……。同業ばっかで楽しみがなくて困ってたんだよ。今すぐ命か股を開くんだな!」
このは「だなー」
このは2「だなー!」
さくころ「今命のために道切り開いてたとこなんですけどー!」
旗風「ううん……。流石に死にたくない……!ワンチャンにかけて抵抗しますか」
アリシア「無理ゲーかもしれねえけどな」
▶旗風達は武器を構えます
アトリ「うーん、これは頑張って『メッ』してあげなきゃダメかなっ☆」
リモ「ヘイヘイヘイ。初対面で何言ってやがるてめぇ。礼儀ってもんがないのか?隣人を愛せという教えを受けてないのか?悲しいやつだ。隣人ってやつの扱いをレクチャーしてほしけりゃ教会で洗礼受けるんだな。ちなみに私はそんなサービスやってねーぜ」
ヴィオーラ「え、みんな戦う気満々なの……ええい! しょうがないわ!」
ソメイユ「今すぐログアウトしてもうログインしないとかは……ダメだよね~……」
ユウガ「残念だったなァ……!ログアウトは俺が禁じておいた。お前らのその肉体も見た目も全て俺の為に差し出すんだよ!」
▶周りのこのはちゃんが謎の機械を動作させていますね。たしかにログアウトができなくなっています
アリシア「レアアイテムかあ……」
さくころ「それユーザーがやれるにはあまりにも過ぎた力じゃないっすかねぇ!!!」
ソメイユ「えぇ……いくらアイテムだからって1プレイヤーが出来ることの範囲超えてない~?!」
ヴィオーラ「ちょっそれずるくない!?」
▶戦闘前行動 アトリ 特攻魔法 ツインサキガスキ
▶戦闘前行動 さくころ ルアクウォイド お前達、もう寝なさい
▶ヴィオーラ 星々のオセラム 観察力で判定
成功
▶さくころ 引くこと覚えろカス オマエモナー
▶ヴィオーラ 通常攻撃
失敗
▶ヴィオーラ 回復薬 ヴィオーラさくころ
ヴィオーラ「そこのずるい人たち! さすがに好き放題させないしされられないわよ!」
さくころ「ちょ自分サポーターで作っちゃったんで、お願いします!」
ヴィオーラ「サポーターってなに?とりあえず、これ飲んで……。はいころもちゃんも!」
ソメイユ「わたしさんもあんまり強そうな技はないなぁ……ごめんね、その分サポートするから~」
▶ソメイユ アルケインパルス
[モダーレス:アルケインパルス]
[ヴァーリス]
▶アトリ 通常攻撃[夜桜]
成功 11ダメージ
[夜桜:フォトン]19ダメージ
[京極]19ダメージ
[ツインサキガスキ:フォトン]23ダメージ
[援軍攻撃]
▶アリシア ガラクタ
成功 10ダメージ
▶このは2人の肉体を破砕させたよ。肉片が生生しく飛び散ります
アトリ「悪い子は『滅っ』しちゃうぞっ☆マジカル~~フォトン☆」
ヴィオーラ「追撃よ! ってうわぁ!」
旗風「いつ見てもグロいグロい……」
ソメイユ「わたしさんたちもやられたらあんなになるの……?うわ~……」
アリシア「在庫整理だ!これでも喰らえ!」
▶処女厨のユウガ
通常攻撃
通常攻撃
▶ヴィオーラソメイユ 回避判定
失敗 成功 9ダメージ
[ブレイドソウル(死体を起点に10m範囲に、攻撃判定を起こした場合2d6の追加ダメージ全体)]
5ダメージ
[リモ:絆庇う さくころ]
[リモ:所有]
7ダメージ
[リモ:絆庇う さくころ]
処女厨のユウガ「俺のペットをよくもやったな!」
リモ「私らもうダチだもんなぁ?……こういうのを『貸し2』っていうのか?」
▶アトリ 通常攻撃[導引、夜桜]
成功 23ダメージ
[夜桜:フォトン]32ダメージ
[処女厨のユウガ:もこたんの羽]
▶リモ 通常攻撃
成功 34ダメージ
アトリ「悪い子に~~~おしおきの時間だぞっ☆《MAX PAIN》マジカル~~~チェーンソー!!」
リモ「お前が処女かどうかは知らんが、もらってやるよ」
処女厨のユウガ「嘘だろ……こ、こんな初心者PTに俺が負ける……?」
リモ「おら、消える前に金出せ金を。あと街の場所も教えな」
▶尋問しようとしましたが、もう絶命しているようですね
リモ「あぁ!やっちまった!手が先に出ちまうんだ!」
アトリ「正義は勝つってコトだねっ☆いぇい☆」
ソメイユ「お~……なんとか勝てた~?ふぅ、よかった~」
ヴィオーラ「ゲッホ……な、なんとかなったのだわ……」
旗風「や、やった……!取り敢えず戦利品の漁り方を教えるね」
アリシア「金の葉っぱ効果やべえな……まさか殺せるとは」
ヴィオーラ「あ! 殺しちゃったから金の葉っぱ……消えてない!?」
さくころ「これそんな価値高いのか……」
旗風「少なくとも金の葉っぱなかったら終わってた……」
▶自分たちの頭上を見比べますが、誰一人として消えている様子はないようですね
アリシア「まず死体だ。こいつのステータス欄を出して、身ぐるみ全部剥がす。衣類ごと脱げるわけじゃないから遠慮なく身ぐるみを剥げ」
アリシア「で、死体はアイテムだ。これはそのままインベントリに仕舞える。こうしてな」
▶アリシアは処女厨のユウガの死体をそのまま小さいウエストポーチにしまいました
旗風「そこのこのはちゃんは死体でも高く売れるから、早く入れて!ウサメリ飛んでるからハイエナが来ちゃう!」
ソメイユ「あ~、なんかオープンワールドゲームって感じだ~」
リモ「全部アイテムにできるのか。こりゃぁ楽でいい」
「おい!ウサメリ飛んでるぞ!ハイエナのチャンスだ!!」
「殺せ殺せ~」
ヴィオーラ「ええ……こっちのぐちゃぐちゃになったのも持って帰るの……」
リモ「タコが!てめぇらもハチの巣にされてぇか!かかってこいや!」
アリシア「バカが!ずらかるぞ!」
アトリ「はーい☆喧嘩は元気な時にやろうねリモちゃん☆」
リモ「あぁ!?なんでこんなに力が強いんだ……くそ!」
ソメイユ「今度はこけないように……」
ヴィオーラ「もー! 初日なのに走ってばっかりだわー!」
――ドリームランド 廃墟街――
▶かなり大きく、円形に壁が建てられた街の外側。廃墟が建ち並ぶ一角の地下に旗風は案内してくれます
ヴィオーラ「もう、ダメだわ……走れない……休憩させて……」
旗風「ごめんね。マイハウスを建てれればこんなところに隠れ棲む必要なんてないんだけど……」
アリシア「追い剥ぎが多すぎてな。取り敢えずこのはちゃんを出してくれるか?」
さくころ「あー、マイハウスってそんな簡単に建てられないのか。それで容姿についてわざわざ確認取ってたんだ」
リモ「標本にするのか?」
アリシア「ラブドールにでもするのか?一応腐ったりもしないし悪くはねえが……」
▶一行が肉塊になっているこのはちゃんを取り出すと、アリシアは死体に回復薬をぶっかけ始めます。すると、体組織が再生していき五体満足の綺麗な体に戻っていきますね
アリシア「このはちゃんはこうやって綺麗な体にしたほうが売れるんだよ。売れる場所はちと遠いからこれは今度だけどな」
さくころ「見た目がきれいになっただけで、扱いとしては死んでるんすか?」
旗風「魂がないだけ?なのかな。この世界ってどうやら蛆もハエもいないみたいで、死体が勝手に消えることがないっぽいんだ」
リモ「ほぉ。このゲームでは普通にリスポーンというか、転送されたりはしないのか……?」
旗風「ウサメリがリスポーンさせるのは魂だけ?っぽいのよね。あ、ここに魔法陣あるからちゃんと触れてね。リスポーン先が初心者の塔じゃなくてここになるから」
アリシア「だから死体でも治療すれば治るし、そのまま維持も出来る。だからラブドールとかにも出来るってことだな」
アトリ「おっと、セクハラはダメだぞっ☆」
アリシア「こんなんセクハラですらねえわ。よく聞け。この街で大事なことを話す」
リモ「てことはなにか、やられたやつの死体が飾られていくこともあるのか……。――っと、悪かった。続けてくれ」
アリシア「基本的に酒場で依頼を受けて、冒険に出る。途中の店で売り払ったりだな。ただ、街に入るのは自由だが絶対に1人で出歩くな」
さくころ「治安~~~」
アリシア「さっきも言ったがこのゲームにはアイリス貢献制度っていうものがある。ベルを稼げば稼ぐだけ円に変換されるシステムだな。だが、大抵のやつは冒険をして稼ごうなんて甘っちょろいことは考えない。だって怪我するとくっそ痛いからだ」
ヴィオーラ「もっと観光地みたいのを想像してたわ……」
ソメイユ「そりゃああんなのみたいのがたくさんうろついてるなら観光すらできないよね~」
アリシア「どうやって稼ぐかというと……立ちんぼだ。意味、わかるか?」
アトリ「無法地帯にも程があるねっ☆」
アリシア「性接待……パパ活……援助交際……なんでもいい。要するに個人経営の風俗がたくさん立ち並んでいる。裏路地なんぞに入ろうものならそいつは客か同業だ」
アリシア「そういうことをするのをジャストするって言う。中身が男女どっちでも安定して稼げるから人気の職だ」
アリシア「だから街に入っても大通り以外は歩くな。できれば2人以上で歩け」
リモ「そりゃぁまさしくゲームならではだな。一人で出歩いてるやつはジャスト狙いか初心者だけってことになるのか?」
アリシア「そうだ。そういうやつはカモだから裏路地に誘い込んで奴隷商に売り払うなり死体を売り払うなりだ」
ソメイユ「やっぱりこれいろいろとダメなゲームなのでは~?」
ヴィオーラ「その辺リアルな感じと同じなわけね? 嘆いてもしかたないわね……、了解だわ」
さくころ「リアルと違って法治国家ではなさそうっすけどね……」
旗風「あっそうそう……、このゲーム宿屋があるんだけど。絶対泊まっちゃだめだよ?」
アリシア「何を想定してるのかは知らんが、このゲーム。誰かの目線に入っているとログアウトしても身体が消えないようになってるんだ」
アリシア「宿屋で泊まってこっそり夜這いでもされてたら、ログアウトした後に好き放題されて戻ってきたらびっちゃびちゃとかあるらしい」
さくころ「うげ、嫌過ぎる」
旗風「だから人の目がないところで、信用できる人とPT組んでこっそりログアウトするの。だからここなの」
さくころ「なるほど。ちなみに仮にマイハウスっていうのを建てられたら、そっちは施錠とかはしっかりしてるんですかね」
旗風「感覚遮断センサーってのがついてるみたいでね。安心して落ちれるらしいよ。私も1回お呼ばれしたけど凄かった」
さくころ「はーん。じゃあしばらくの目標はそこかあ」
ヴィオーラ「窓のカーテン閉めてからログアウトする癖つけたくなるわね……」
アリシア「まあ悲しい話は置いといてだ。精算するぞ」
▶アリシアはこのはちゃんを除いて色々売り払っていきます。自分のステータス欄を見るとアイリス貢献制度には、6200ベルと書かれていますね
アトリ「当面の目標はマイハウスだねっ☆……で、マイハウスはおいくら?」
旗風「10万ベルくらいかなあ……。もうちょっとお金貯めてからになりそう」
リモ「ローン組んだ方が早い気もするが、こういう拠点も悪くない」
アリシア「おい。取り敢えず全員3000円は受け取れるはずだ。死体じゃなくて草花摘み取りでも1時間やりゃあこれくらいは稼げるから、こうやって副業にしてくわけだな」
リモ「あいつら初心者狩りしてたわりにシケてたんだなぁ……」
ソメイユ「う~ん……道のりは険しそ~」
旗風「このはちゃんを売ってないからこんなものかな」
アリシア「ベルの分配をするぞー。しっかり等分かつ、ギルド資金を一律で貯金するからちょっとしかないけどな」
さくころ「んじゃあ遠慮なく。しっかしこれイン直後に声かかったのマジで助かったな……」
アリシア「お互い様さ。人手が欲しいのはこっちもだからな」
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