1. サステナビリティとは (SDGs、ESG、CSR の意味と解説)
近年、企業の web サイトやメディアでは「サステナビリティ」という用語をよく見かける。日本語では「持続可能性」と訳されているが、それでは今ひとつわかった気分にならない。口語にしてみたらどうだろうか。「どれだけ長持ちさせられるか」となる。何を長持ちさせなくてはいけないのか。それは、地球と社会である。「放っておくと地球も社会も破壊されて取り返しがつかないことになりそうなので、企業の皆さん、ぜひ協力してください」と国連が言い始めたのがサステナビリティだ。
例えば、企業が製品を大量生産するために化石燃料を使って熱を発生させると、二酸化炭素が多く排出されて地球温暖化が加速してしまう。これでは地球を長持ちさせることが難しくなる。そこで、燃やしたら二酸化炭素が出て使い切ってしまう化石燃料の代わりに、エネルギーとしてはより長期的に利用できる風力や日光を使って熱を発生させれば、二酸化炭素も出ずに地球はより長持ちすることになる。
社会的にも、例えば従業員を搾取するような方法で利益を得る企業は、従業員がすぐに辞めてしまい事業が立ち行かなくなる可能性が高くなる。しかし、投資が必要になったとしても社員教育をきちんと提供したり、福利厚生に力を入れたりすれば、社員の離職率が下がるだけでなく技術も社内に蓄積されて、事業も長期に安定する。
このように環境や社会を長持ちさせる考え方を、サステナビリティという。
サステナビリティという言葉と共に、SDGs、ESG、CSR といった横文字もよく見るようになった。これらの用語はしばしばセットになっている。まずは、それぞれの正式名を説明しよう。
SDGs: Sustainable Development Goals。持続可能な開発目標。「エスディージーズ」と読む。
ESG: Environment、Social、Governance。環境、社会、ガバナンス。会社が経営上気をつけなくてはいけない点を指す。
CSR: Corporate Social Responsibility。企業の社会的責任。企業は大きくなればなるほど、事業活動が社会に影響する度合いも増えるので、その影響を考慮して責任ある行動をとることをいう。
これで、サステナビリティ、SDGs、ESG、CSR の用語が少しだけわかった。次にこれらの用語がどのようにして生まれたのか、その背景を見てみよう。
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