【後輩との一夜】



「ねえ、せんぱい。床で寝ることないですよ。そんなことされると、私が申し訳なくて眠れないですよう」

「ほーら、こっち。一緒にベッドで寝ましょ? 一緒の布団で」

「あー、やっぱり恥ずかしいんですかあ? 可愛いなあ、もう。それとも……。自分を抑える自信がない、とか? ふふっ、それはそれで可愛いですけどねっ」


「……ねえ、せんぱい?」

「また……ワガママ、言ってもいいですか……?」


「……お願いします。朝まで、隣にいてください……」

「今日だけでいいから。同情でも、構わないから」

「『好き』も、『愛してる』も、言わなくていいから。ただ、私の隣にいてください」

「ぎゅってして、抱き締めて……?」

「私に信じさせてください。私が抱いているせんぱいへの気持ちが、絶対に嘘じゃない、ってことを……。今確かに、恋心がここにあるってことを……」

「……ダメ、ですか……?」



「……っ、せんぱい……! ありがとう、ございます……!」

「お礼になるか分かりませんが、私は今夜、せんぱいのモノです」

「何をされても怒りません。たくさんワガママ言って、それを聞いてもらったんです。それでお相子です。なにしても、いいですよ……?」

「好きにしちゃって、構わないですから……。ね……?」


「でも……」

「そういうことをするのなら、できるだけ、痛くないように、お願いします……」



「……ふふっ……」

「せんぱい、大好きですよ」



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