食事

俺が勝手に味噌汁に口を付けてから数分後やっと篠宮が風呂から出てきた人の事を言えない程の長風呂だった。

「遅かったな。待ってられなくて先に味噌汁に口を付けたぞ」

篠宮にむけてそう言ったがチラリと一目見られただけで特に文句は言わなかった。待っとけって言われたからてっきりなんか言ってくるかと思ったけど意外だな。

「別に良い。待たずに食べて当然だろう俺の風呂が長いという自覚位はあるからな。だが、メインに手を付けずに待っていてくれたんだな、えらいぞ。」

篠宮は、ふんわりと笑いまだ少し湿っている俺の頭に右手を乗せて軽く数回ほど撫でた。うわ…こいつこんなふうに笑うのか…破壊力ヤバいな。

「さて、食事にするか」

「お…おぅ」

俺は篠宮の顔をあまり直視しないように顔を変に反らせながら食事をした。理由は、さっきの笑顔を思い出して変に赤面したくないからだ。美味しいはずの飯は、ぎこちない空気のせいで少しばかり味がしなかった。

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