エリア5:フロストマキア (北)

エリア危険度:★★★★★


 大陸で最も過酷と言われるフロストマキアは、一年中雪と氷に閉ざされた極寒の大地である。

 気温が摂氏-20℃を上回る日はなく、北の山からブリザードが降り注げば、-100℃を下回ることすらある。たいていの生命はまず生きていけない「試される大地」と言える。

 このような極限の環境で生きる魔獣は驚異的な生命力を持っているか、または寒冷地を苦にしたい特殊な進化を遂げている。歴戦の戦士であっても、この環境での戦闘は非常に厳しい。


 資源にも乏しく、食料産出にも向かないこの土地だが、ごくわずかに人が住んでいる。

 彼らの目的は、フロストマキアの最北にある巨大な雪山に存在すると言われる「この世のすべての英知が得られる箱」を発見すること。

 そして、誰も見たことがないと言われる、雪山のさらに向こう側の世界を目指して――――酔狂な冒険者たちの無謀な挑戦が続いている。


【主な特産物】鉱石・木材

【主な施設】冒険者ギルド


【リージョン】


エリア5-1:ウインタードリームカントリー

リージョン危険度:★★★☆☆

 フロストマキアのほぼ中心部、険しい崖に囲まれた狭小な盆地に冒険者たちの拠点がある。

 町の中心部には火力によって熱を放出する塔が立っており、塔自体が発する熱とここで暖められた温水で、家や施設は暖かく快適に過ごせるようになっている。

 エリアを探索するにはここを拠点にするほかないが、首都から町までの公共交通機関は存在せず、物資輸送のために踏み固められた雪道を自力で歩いてくる以外に道はない。

 道中では飢えた狼の魔獣が人間を狙っており、町に着くまでに命を落とすことも多い。


 だが、ここに住む屈強な住人達からすれば、町にたどり着くまでに命を落とす程度ではこの地でできることは何もないと、いたって冷ややかである。


エリア5-2:無音の森

リージョン危険度:★★★★☆

 ブリザードで完全に凍結してしまった針葉樹林帯。

 森林によって吹雪がある程度緩和されるため、一切の音がしない白銀の世界を形成している。

 晴れていると視界は非常にいいが、頻繁に濃霧が発生し、方向感覚を狂わせる。

 この地に住む魔獣は奇襲に特化しており、無音の森の中で数キロ先の物音にも反応し、雪で姿と足音を消して、対象に悟られることなく襲い掛かってくる。


エリア5-3:クオルト氷壁

リージョン危険度:★★★★★

 フロストマキアの北半分を占める、標高一万メートル級の巨大な雪山。

 文字通り「氷壁」としか言えない凍り付いた険しい崖が立ちふさがり、途切れることのない強烈なブリザードと指先すら視認困難な白い霧、頻繁に発生する大規模な雪崩が襲い来る。踏破難易度は全エリアの中でも最難関とされている。

 凄腕のウインタードリームカントリーの登山家でさえ、踏破に成功した事例が存在しない。

 踏破すれば、真の英雄と称えられることだろう。


エリア5-4:アークアーカイブス

リージョン危険度:★★★★★

 氷壁を登った先、頂上付近に見えるのは、崖に沿ってずらっと並ぶ巨大な空調ファンと地面のクレバスの奥深くまで広がる謎の建物だった。

 ここは、大図書館アーキビストの一人であるオリヴィエ・ソミェットが保有する、山脈丸ごと使った陽電子スーパーコンピューターと、大規模なサーバ群だ。

 山頂付近にあるファンは、スパコンやデータサーバの熱の排出機構であり、エリア5全体に吹雪をもたらすほどの冷気でそれらを冷やしている。


 到達すれば、この惑星に起こった歴史の数々や、大図書館が持つ魔獣のデータなどを入手することができるが、機密性の高い情報や操作を行う際は、オリヴィエの持つ管理者権限が必要になる。

 情報の天才が保有するコンピューターだけあってハッキングは至難の業で、通常のコンピューター技術では突破は不可能と言われている。


 ちなみに、今までのコラボでも何回か出てきたオリヴィエ代表は、かつてこのエリア5に存在した国家のお姫様だったが、従妹のマリーシアの暴走に対抗すべく銀河の一角を組織する組織「大図書館」に国を売り渡すというとんでもないことをしている。

 不滅のメガロポリスのような高度な都市があるにもかかわらず、遺品に剣や槍がある歪な文明レベルはオリヴィエのせいであり、早くにこの世界に見切りをつけたヴェリテなどは色々複雑な気持ちを抱いている。

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