第22話 突然の終わり
黒いのは沼地を抜けて山から離れる様に移動していた。沼に繋がる川を見つけてその流れをずっと辿って行く。
「きゅきゅきゅ~♪」
上機嫌に川を下る黒いの。すると、森が途切れ目の前の景色が突然広がった。
「きゅきゅ~!!」
ザッパーーーン!!
黒いのが出た場所は崖の上の様で、その下には黄色い水が波を立てながら動いてる。
「きゅ~?ぎゅーー!!ぐばぁっ!!」
その黄色い水からとてつもなく嫌な気配を感じる黒いの。ふわふわと崖から降り、沼地で行った様に水を飲み込んで水を浄化し始めた。
けれど、飲み込んでも飲み込んでも水は浄化しきれない。なぜならばその黄色い水は海と呼ばれる物で、1人ですべてを浄化できるものでは無かったからだ。
「ぐばっ!!」
それでも目の前の嫌な気配を消し去ろうと海水を飲み込み浄化し続ける黒いの、時たま口から青い結晶を吐き出し、海に落としていく。海に落ちた結晶は周りだけを浄化して、どんどん海底に沈んでいった。
「ごばぁっ!!」
大口を開けて海に挑戦し続ける黒いの。夢中になって水を浄化し続ける黒いのは、どんどんと沖に進んでいき最後には海中に潜って行った。
それ以降、黒いのを見た者は居ない。ただ、海の中心と呼ばれる場所から見たことも無い青い水がどんどん広がっているという話は聞こえて来る。恐らく黒いのは未だ海の中で海水を浄化し続けているのだろう。
それが完了するまでは黒いのが出てくることはあるまい。ここらへんで一度黒いのの観察は終わる事にしよう。穢れてしまった世界の浄化が完了しなかったのは残念だが。それでもあの黒いのが撒いた種は残り、少しずつでも世界を浄化していくだろう。
もしまた、黒いのが動き始めた時には観察を再開するのもいいかもしれない。それが100年後か1000年後になるかは分からないが。“私”の代わりに世界を救おうとしてくれた黒いのには感謝を送ろう。
黒いのの影響で生まれたピュリファイ教なる宗教はあの後獣人の街にたどり着いた様だ。そこで黒いのの起こした奇跡を目の当たりにし、信仰心をまた深めた。
ピュリファイの街の方も、エルフの特産フルーツとドワーフが持ち込む貴金属の影響で発展を続けて行くだろう。
黒いのを追いかけていたヤクアなる者達はしばらく獣人の街で滞在するようだ。
世界は以前悪意に満ちたまま、だがそんな世界にも一握りの希望はある。
その希望が目覚めるまで、私も眠ろう。世界の浄化を続ける黒いのにまた会えることを願って・・・・・。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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はい、という事で短いですがこれでこのお話は終わりです。いきなりすぎるだろ!!とか、獣人の街の話とかリザードマンの話はどうした!?なんて声が聞こえてきそうですが、ちょっと書きたい話が出来まして。あまり人気の出なかったこの話を打ち切る事にしました。
もし!!もしですよ?続きが読みたい!とか、この先どうなるの!!何てコメントが来たら不定期ですが更新する可能性があります。本来海の中で活動する話が在りますから。
最後に、フォローと☆、♡を送ってくださった方々にお礼を申し上げます。見切り発車でプロットも無いこの話を気に入って下さりありがとうございました。
ではまた別の作品でお会いできることを願っています。
黒い何かの創造神話 コトスケ5 @kotosuke5
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