アメリカ合衆国のアイオワ州南西部で暮らすデイヴィッドソン。アイオワ特有の唐突の寒さに見舞われたある日、彼は妻と連れ立ち、路地裏にある『参獄死』なるラーメン屋を訪れた。初めて食べる異国の美味“チャーシューメン”は一気に彼と妻とを虜にし、気づけば常連となっていたのだが……行く度、スープの味が変わる。店に居たはずの犬が消え、店主の妻が消え、しかし味ばかりは向上していって、ついに究極の一杯が供された!
サメ映画は観客を裏切ることなくサメが出る、ある意味お約束を楽しむ作品ですよね。本作もまたホラーのお約束を綺麗になぞっています。
ラーメン屋というひとつの閉鎖空間で変わりゆく演者。その中心にあり続けるデイヴィットソンさんと店主。マクガフィンであり、実は主役でもあるラーメン。彼らが真っ当に役割を全うすることで「来るぞ来るぞ」の緊迫感が生まれ、最後に爆発して「来たー!」のカタルシスを魅せる。エンタメですよねぇ。
ぜひともこの極上の「来たー!」を噛み締めていただきたく!
(「冬こそ(冬じゃなくても)ラーメン!!」4選/文=高橋 剛)