第2話

帰り際、井上千夏が


「山崎、明日から一緒に、登校しよう!」


「えっ!どうして?」


「だって、キスしたじゃん。」


「あれは、お前がしたんだろう?」


「おあいこだから、一緒に登校しよう!」


「分かったよ、どうすれば、いいんだよ!」


「私の家迄、迎えに来て!」


「はぁ?お前はお姫様か!」


「まぁ、似た様なもんね、待ってるから

もう帰るから、キスする?」

と、唇を重ねる。

そして、井上は帰って行った。

僕は


(何なんだ?あいつは!どういう、つもり

何だ?しようが無い、明日迎えに行こう。)

家に帰った僕は、やっぱり井上の行動が

分からずに、モヤモヤしていたが、誰にも

言えずに、眠れぬ夜を過ごした。


翌朝

井上を迎えに行く為に、早めに家を出る。


(僕が、遠回りになるじゃ、無いか!)

そう思いながら、行くと玄関に井上の姿が

有った。


「おはよう、山崎、待ってたよ。」


「おはよう、行くか?」


「うん。」

少し歩くと、公園がある。


「ここなら見えないね?キスする?」


「何、言って………」

口をふさがれる。

唇を重ねる。


「なぁ、井上?どうしたんだ、急に?」


「山崎が、鈍いから、私が行動を

起こしてるんでしょう?」


「僕の何が、鈍いんだよ!」


「そういう所!」

と、井上は歩いて行く。

僕も追い掛ける。


「ちゃんと言って、くれよ、分からない

だろう?」


「私の気持ちが、分からない?」


「井上の気持ち?」


「そう!」


「それって、もしかして僕の事が、好き

なのか?」


「そう、やっと分かった?」


「うそ、それなら嬉しいよ!僕、じゃあって

言い方は、良く無いな、井上千夏さん

僕と付き合ってください!」


「はい。」

やっと、笑顔になった、井上。

井上の行動の、意味が分かった。


(でも、何で僕なんか?)

そう思っているが、なかなかのイケメンで

成績も優秀でモテていた。


「みんなには、どうする?」


「隠す必要は、無いでしょう?」


「井上、いや、千夏がいいなら、僕は

いいよ!」

休憩時間に


「千夏。」

と、呼ぶと武田和弘と、真鍋沙織が


「千夏?」


「どうしたの?井上から千夏に、なって

るじゃんか?」

僕が


「僕達、付き合う事に、したんだ!

よろしくな!」


「よろしくね!」


「それは、めでたいじゃん!」


「青春だね~」

でも、受験を控えた僕には、そんなに

遊ぶ時間は、無かった。

休みの日は、一緒に勉強をした。

井上は、付き合ってくれた。

2人になると必ず


「キスする?」

と、聞いて来る。


「どうして?」

と、僕が聞くと


「不安になるから、キスした相手なら

忘れ無いでしょう?」

これは、井上の本心では、無かった。

でも、まだ僕には分からなかった。

そして、唇を重ねる。

その後は、勉強をする2人。

普通の交際だった。

あの日迄は………。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る