戦人-イクサビト-
三刻棒図
セカイノアリサマ
まず、この日記を手に取ってくれてありがとう。
...と、言っておけばよいのだろうか。
これから書き進めていく予定ゆえ、どれくらい長くなるかとかは分からないし、下手したら途中で終わってしまったりしているかもしれない。
だとしても、どうか最後まで読んでほしく思う。
これから語るのは、私の...私達の住む、とある惑星の「失敗談」なのだ。
これを手に取って読んでくれているあなたの惑星に、同じ末路を辿ってほしくない。
この失敗談における「悪者」を決めるとするならば、それは私含むこの惑星に住む全ての人類。
あなた達がこのノートに書かれている「何か」を「文字」と判断できるほどの知性を持つ生命体であるならば、この話は決して他人事ではないはずだ。
では前置きはこれぐらいにして、本題に入ろうと思う。
これは、この日記を書き始めた26//年の-月>日から、およそ5年ほど前の話になる_。
我々人類は幾年の年月をかけて科学の発展を進め、高度な文明を築き続けた。
...発展の代償だと言う名目で貧困に苦しむ同族や豊かな自然を見捨て、そして淘汰しながら。
一部の団体が彼ら貧困層を救うために集めた金は、先進国の集まりが横領して自国の発展や私腹を肥やすために使い放題。そしてこのことは上層部の機密事項。
勇気を出してその異常さを訴えた者はたとえ誰であろうと反逆者の汚名を着せられ、また淘汰されていった。
かつてその時代を生きていた我々からしてみても、あの頃の世界は狂っていたと思うし、腐っていたとも思う。
...粛清を恐れて何もしてこなかった者に言えたことではないが。
だがそんな世界にある日、異変が訪れることとなる。
突如として巨大な塊が空を覆い尽くし、世界の主要都市を爆撃し始めたのだ。
国際合同調査部隊の必死の潜入の結果、その塊は戦闘機と思われる乗り物であり、それを操り動かしているのはどこの星なのかは不明だが、「異星人」であることが判明した。
異星人による破壊行為とみなした世界政府は、惑星中の軍隊を出動させ、今までに培ってきた科学力をフルに使って必死に抵抗した。
だが、異星人による強大な兵器に全く敵わず、瞬く間に壊滅してしまった。
異星人の科学力は、我々人類を遥かに凌駕していたのだ。
そしてほんの一年で、この星の地上に残されたものは廃墟と屍だけ、と言う状況に陥ってしまった。
だが、それは「地上」に限った話。
異星人の侵略から生き残った者たちは密かに惑星の地下にシェルターを作りあげていたのだ。
そして彼らは、異星人へどう対応するかについて話し合った。
そして話し合いが進むにつれ、彼らは3つの勢力へと分かれていった。
1つは、科学の力でさらに強力な兵器を作り、異星人を全滅させようと言う者たち。以下「科学派」。
1つは、これまでの行いを反省し、今まで自分たちのせいで滅んでしまった生命のために大人しく死のうと言う者たち。以下「自然派」。
1つは、道具や兵器を捨て、自分たちの身体ひとつで異星人に立ち向かおうと言う者たち…彼らは自分たちを「野性派」と名乗った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます