想ひこそ想はす

貴方への想ひ

月夜に紛れ

心のみを乱す


身を隠しつつ

ただ静かに

来(きた)るを待ちて

月光を浴びて舞ふ


一夜(ひとよ)の戯れ

朝陽の鐘さえ

恨めしく

袖を掴みみた


太陽の永く

文(ふみ)を綴りても

募るのみと

筆さえ動かず


この想ひ届かぬ時

暮れるばかりか

揺らるる

灯りを見たり


鳥のさえずりに

頬に玉をのせ

その雫

渇くこと無きや


再びの闇を

崩れつつ迎え

誰の目にも

触れられぬやう


堪え難く

乱れ姿で

闇を闇のままかける

裾など元の形無し


小枝に袖を引かれ

痛みに襲わるる

かと思えば

そこに覚えある香り


二つ袖に包まれ

違う痛みあり

出(いで)つる言の葉より

雨の降ること


貴方への想ひ

回す腕に込める

二つ影今こそ交わらん



2006.11.11~2012.07.04

古語風に…。

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詩歌独白~過去とわたし~3 ゆずりは @yuzuriha-0102

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