若手のお笑い芸人が経験した、自分に初めてついた「熱心なファン」の物語。
現代もののホラーです。なんかもうシンプルに人間が怖いお話。
とにかくその熱心なファンたる彼女の振る舞いがすごい。
出待ちはするわ差し入れが手作りのお菓子だわと、わりと最初から危うい雰囲気はぷんぷんしていたのですけれど。
しかし案の定というか、まさかというか……。
そもそもにして、「ファン」という語の語源が「狂信的、熱狂的」だったりもすることからもわかる通り、芸能的なお仕事をする人には避け得ないリスクである、「ちょっと行き過ぎてしまった危険なファン」という存在。
逆説的に、わたしたちがなんらかのファンになるとき、少なからず彼女のようになっている……というのもまた事実であると思うと、なんとも肝の冷える作品でした。
なんだか妙にキャラの濃い相方さんが好きです。