俺、教えてもらったよ!
さっきまではウォルと一緒に乗ってたけど今回はアルベルドと一緒に馬に乗ってるよ!アルベルドは体は大きいけど、俺を壊れ物みたいに触るからちょっとくすぐったいけど、優しさが伝わってくるから好き!
道中大地を再生しながら進むだけで暇だったから、アルベルドに気になってることを聞いてみた。
「ねぇねぇ、何で俺の事をみんなはそんなに心配するの?俺は龍だから人間じゃないんだよ?」
「確かにクーア様は偉大なる龍です。だが、俺達エルディランの民は多種族を尊重し、共に平和を守り抜く事を心情としているので、龍であるとかは関係ないのです。どんな種族であろうと、子供は大切にし、健やかに育てるようにしていくのが義務なのですが。その護るべき子供に俺達が救われていると考えると少し情け無いですね」
「そんな事ないと思うよ、だってみんなあんなにボロボロになりながら頑張ってたんだから」
「ありがとうございます。それに、友人や恩人を心配するのはおかしい事ですか?」
「でも俺は人間より強いし・・・・」
「強い弱いは関係ないのですよクーア様、どんな強大な力を持っていようがその人を思うことは当然なことなんです。だって、大切な人には傷ついたりして欲しくないですよね?」
「うん!みんな傷ついて欲しく無い!」
「偉大なる龍を心配するのは不敬かもしれませんが、どうか俺達にクーア様を思わせてください」
「良いよ!」
そっかー思うことに種族も年齢も関係ないんだね。どんな力を持っていようが、その人を心配しない理由にはならないもんね。
もし、ウォル達が俺より強くても心配になるし、もし傷ついたらと思うといても立っても居られなくなっちゃう。ウォル達も同じなんだね俺理解したよ!
「ありがとうございます。俺達の国の事なんですからクーア様に丸投げするなんてこと出来ませんよ。出来ることはなんでもやります!微力にしかならないかもですが、何でも言ってくださいね」
「はーい!」
確かに、俺だけが魔法でどうにかするのって何だかみんなを仲間外れにしてるみたいだよね。みんなは今まで頑張って国を救ってたのにいきなり俺が来てその役目を全部持ってっちゃうのってなんか駄目な気がする。
ウォルも何か出来ないか気にしてたし・・・・
うーん、どうしたらいいんだろう。
「じゃあアルベルドに質問!」
「なんでしょうか?」
「みんなは何がしたいの?」
「何がしたいとは?すみません、もう少し具体的に・・・・」
「俺が大地を再生させるとき、みんなは何かやりたい事ってあるのかなーって」
「そうですね・・・・俺達に大地を再生するほどの力があれば代わりたいぐらいなのですが、出来ればクーア様の負担を減らしたいなと思ってます。まぁその方法を悩んでるんですけどね。」
「なるほどー」
「俺達もクーア様の負担を減らしたいと思ってますよー。俺に出来ることあるかなー?」
「クーアなんでも言ってくれ」
「魔法なら得意よ!クーア様には及ばないけどね」
おーみんな俺を手伝いたいと思ってたのか・・・・どうにかしてみんなの願いを叶えたいけど、みんなの魔力じゃ水を持ってくることも浄化することも出来ないんだよね〜俺が魔力を貸してもいいけど、植物を復活させるのは人間じゃ難しすぎる。
う〜ん、どうしよ・・・・あっ!
そうだ!みんなに強くなってもらえば良いんじゃないかな?強くなれば魔力が多くなるし、みんなの魔力を借りて俺が大地を復活させれば、みんなと協力したことになるよね。
「ねぇみんな!」
「どうした?」
「何かしら?」
「おう、どうした?」
「みんなも大地を再生させたいよね?」
「勿論俺達も力になりたいが・・・・」
「えぇ旅の目的だもの」
「自分達の国の事だからね!」
「出来るなら力になりたいが・・・・」
「だよね!」
うんうん、みんなも再生させたいよね!よ〜し、みんなと一緒に大地を再生させるならあれをみんなに掛けて、そうすればみんなの魔力が上がるはず!少なくてもみんなに既にあるんだから、悪い事にはならないよね!
よーし、俺頑張っちゃうぞー!
「?楽しそうだな」
「うん!良い事思い付いたから!」
「そうか、何を思いついたんだ?」
「ふふ~ん、内緒!」
「え~気になるっ!」
ウォルが俺が何かしようとしてるのに気づいたみたいだけど、俺からの贈り物だしサプライズの方が面白いと思うし。
「教えてあげな~い!」
「ふふ、そうか」
俺のをあげるには、もうちょっと場所を整えた方が良いよね。人間って場所とか雰囲気とかにこだわるって言うし、俺も贈り物をするなら素敵な場所が良いし。どうしようかな~植物は沢山有った方が良いし、俺からの贈り物なんだから水が沢山有った方が良いよね。水でお城とか作っちゃう?それとも、凄く深い湖の中とか?良い場所見つけておかないとな~
「そろそろ町に着くぞ」
「え、本当?」
「おう、砂の民が暮らしている町サスヴァンだ!」
俺からの視点では見えなかったけど、アルベルドぐらい大きいと見えるみたい。背伸びしてみたけど見えなくて、飛ぼうかな~と思ってたらアルベルドが肩車してくれた!
「おお~建物が見える!なんであんな色なの~?」
アルベルドが肩車をしてくれたおかげで、建物が見えたけどなんか森で見た家とは全然違う色と見た目をしてる。森の家と比べたら地味な色だな~
「あれは、砂を固めて作った家だからな」
「何で砂を使ってるの?」
「理由は簡単だぜ」
シャールクが得意そうな顔をしながら会話に入ってきた。
「なになに教えて~」
「単純にここら辺には、家の材料となる木が無いんだよ。ここら辺は昔から砂や石ばっかで、家を建てるために必要な木とかが育たなかったから身近に有って大量にある砂を使った建物が造られようになったんだぜ」
「でも、砂ってサラサラですぐ崩れちゃうんじゃないの?」
「そこは砂の民が得意としてる土の魔法を使う訳よ。砂が少量だと崩れやすいけど、隙間なくガッチリ砂を集めて固めてしまえばとんでもない強度を誇るんだぜ!それと、ここら辺に多く生えてるボドンって言う植物があるんだけど、その蜜を砂に混ぜると固まって家として利用できるぐらいにはなるんだ。」
「そんな植物あるんだ~見てみたい!」
「ボドンなら砂の民が育ててるから見せてくれると思うぜ」
へ~そんな植物もあるんだ。本当に知らない事っていっぱいあるんだな~砂のおうちか~もしかして砂のお城とかも作れるんじゃないかな?
「よし、そろそろ日が暮れる頃だろうクーアも楽しみにしてるみたいだし急ぐぞ!」
「「「はい!」」」
俺達は砂の民が暮らす町サスヴァンに向かって、駆けていくのだった。
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