第18話 五重④ ~妖狐~
彼はエネマグラ以外、身に着けているものすべてを脱ぎ去った。
「な、チン之助様。その姿は一体……」
その言葉には答えず、ベッドの上に立つとキキョウを抱きしめる。
「待たせてすまなかったキキョウ。もう一度、俺と、セックスをしよう。今度こそ君をイカせて見せる」
激しく勃起したペニスがタイトスカート越しにキキョウの股間に押し付けられ、シワを作った。
「君も裸になるんだ」
「ちょっと待──」
いかなる神業か。チン之助が両手を広げると、右手にカットシャツ、左手にタイトスカートが握られていた。キキョウは生来持つ狐耳と尻尾のほかは、一糸まとわぬ裸となった。
艶やかな長い髪、張りのある乳房とツンと立った乳首、見事なくびれ、引き締まったお尻に控えめな陰毛とその下の濡れた秘所。彼女のすべてがあらわになる。
服を投げ捨てると、チン之助はキキョウの手を自身の陰茎に導いた。
「かた……い。それに、熱い」
「これが今から、君の中に入る。今度こそ、君を満足させよう」
彼女の白い内ももに、愛液がとろりと垂れる。
「あ、貴方のようなか弱い人間に、私を満足させられるとは、ン、ちょっと、ぁダメ」
最後まで待たず、チン之助はキキョウの首筋にキスをすると、ベッドに押し倒した。右手の親指で優しく狐耳をくすぐる。
「だから耳は、あっ、あっ、あっ」
体の下にいる女の体温と、男を惑わす曲線を感じながら、チン之助はキキョウの膣に挿入した。
「んンンン~~~、ァあ! ウソ! さっきより大きくなってる!」
余裕のなさが顔をよぎったキキョウに、彼は低い声で告げる。
「正しく装着したエネマグラは、俺の力を二倍にする。二倍の速さ、二倍の力、そして二倍のチンコだ。キキョウ、二本のチンコで責められたことは?」
「な、なにを言って」
ズズン!
「やン!」
キキョウがあられもない声を出す。
一度奥まで突いた直後に腰を少しだけ引いて再度突く。一打目の影に二打目を隠す、ボクシングの高等技術にも似たこの二度打ちは、エネマグラ装着者にのみ可能となる。
ズズン! ズズン! ズズン!
「あぁ、ン! ふっ、ふっ、んンン、あ、やっ、ん、声、出ちゃう! ふーっ、ふーっ、ンンぁあ!」
キキョウの奥を突くたび、彼女が声を出す。すぐに肌はじっとりと汗ばみ、瞳は潤んでいく。彼女が荒く息をするたびに、白いお腹が上下する。
「ど、どうやら、ン! 先ほどとは、ちが! ぁン、違うみたいですね」
ふーふーと息を吐いて快楽を逃しながらキキョウが言った。男に組み敷かれた彼女は美しい髪が乱れて顔にかかり、頬は赤く染まっている。それでもなお、キキョウは切れ長の挑戦的な目をチン之助に向けて、啖呵を切る。
「しかし、私もアヤカシ屋の主としてのプライドがあります。やすやすとは、ンンン!イカせられるとは……あぁぁぁああ! ふーっふーっ イカない! ああ、ダメ! 待って、喋ってるときに、奥グリグリするのダメ。こんなのズルい。ズルい!!」
彼女の言う通りチン之助は動きを変化させていた。膣の奥のコリコリした子宮口をペニスで揺さぶるように、密着して腰を動かしている。
「んん~~~~、あっ! あっ! おなか、響く! 揺らすの! 響いちゃってるから!」
チン之助はキキョウにキスをした。舌を絡め、両手で相手の狐耳の奥をくすぐり、ペニスで子宮を突き上げる。膣の中が痙攣するかのようにぎゅうぎゅうと締め付けた。
キスをやめると、チン之助は姿勢を正した。
「それじゃあ、行こうか」
キキョウは返事をしなかった。ただ、涙を浮かべた瞳で彼を見上げ、わずかに頷く。
深く、キキョウの好む荒っぽいやり方で、彼女の一番弱いところを突いた。リズムを保ち、腰を打ち付ける。
「ふっふっ、ンゥ、あっ、ハァぁっ、うンっ、ぁダメなの、んん、あァンン」
彼女の顔が羞恥に、歓喜に、快感を押し殺した顔に、コロコロと変わる。だがもうその余裕も拭い去られ、助けを求めるように唇が小さくパクパクと動く。言葉はなく、甘い吐息がこぼれた。
それでも、チン之助は彼女の言いたいことがわかった。
腰を大きく動かしてスパートを掛ける。
「あぁ! あっあっあっ、ン! あぁぁあ、あっ、あっ、チン之助! お願い! わたし、わたし、もう! イク! あ、あぁ、イク!!」
無我夢中でキキョウが抱きついてきた。彼女の膣がギューッとしまり、身体を反らした。ガクガクと痙攣している。
それに合わせてチン之助も彼女の一番深い部分にペニスを突き入れ、射精をした。
陰茎が何度も脈打つ、長い長い射精だった。
二人は肩で息をしながらベッドの上で抱き合った。
部屋の中に、男女の性交の刺激的なにおいが充満している。
ベッドの上のスペースに水差しとグラスが置いてあるのを見つけたチン之助は、女の膣からズルリとペニスを抜いて膝立ちになり、一口飲んだ。
キキョウが物欲しげな目で彼を見たため、口に水を含み、口移しで彼女に飲ませる。
コクリ、コクリとキキョウが喉を動かす。二人は名残惜しそうに唇を離した。
「ふふ。ごちそうさまです」
キキョウがゆっくりと身体を起こした。あれほど彼女を味わったあとだというのに、その美しい乳房や、閉じられた長い両足の付け根にある陰毛に目を奪われてしまう。
「お見事でした、チン之助様。私をイカせたことで、死亡お遊戯はチン之助様の勝利となります。五重をクリアされた方は数十年ぶりになります。敗北した身ではありますが、チン之助様の偉業に立ち会えたことを嬉しく思います。さて、五重を攻略し、死亡お遊戯すべてを達成された報酬ですが……ってチン之助様聞いていますか?」
キキョウの説明の途中であるにも関わらず、チン之助はベッドを降りた。数歩進むと、自身の脱ぎ捨てた服の上で立ち止まる。
少し間を取ってから、チン之助は口を開いた。
「少し、行き違いがあるようだ。俺はまだ、この五階での勝負に勝ったとは思っていない」
「ええ!?」
「……君はまだ、敗北を認めていない」
死亡お遊戯の各層の突破条件は、嬢の敗北宣言あるいは気絶。そう言う意味ではチン之助の言うことにも一理あった。
「で、ですが、私が貴方の勝利を認めて……」
チン之助はかがみ込むとスーツのポケットに手を伸ばした。
ズ、ズズズズ。
チン之助の手は女性の腕ほどの太さの灰色の棒を掴んでいた。完全にポケットから出し切ると、その先端にはひときわ大きい黒いヘッドが取り付けられている。ハンディマッサージ機。
いわゆる電マだ。
ヴィィィィィィンン!
チン之助がスイッチを入れると、相手のコリをほぐそうと電マが元気な唸り声を上げる。
チン之助は今日会った女達の顔を思い浮かべた。ミャオ、カナエ、タマキ、サイカとミナミ。彼女たちの乱れきった、その美しい顔を。
腹に力を入れてエネマグラを起こすと、チン之助の立派なイチモツが再び固くなった。
そう、何度でも。彼は思った。女のためならば何度でも俺のここは立ち上がる。
「何より、君もまだまだエッチをし足りない。そうだろう?」
電マを手にしたチン之助の、真っ直ぐな目がキキョウを射抜く。
彼女の唇の端が引きつったかのようにピクピクと震える。
「は、はひ。……お願い、しましゅ」
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