第14話:日常研究会の活動とそれぞれの二ッチ4

影山が律子の話を聞きながらスマートフォンを指先で動かしている。QRコードで読み取った情報の操作をしているようだ。


影山「ふんふん、人形造りが得意なのね。手先が器用かぁ。人形って雛人形?なるほど実家の生業ね、どうなの写真とかあるのかな」


律子「ありますよぉ、あと。これ指人形です造ってもらっちゃった」


そういうと律子は鞄から人形らしきものを取り出して指にはめた。指人形のようだ。右手のそれぞれの指に5個つけて。ひらひらさせる。


南雲「なに?指人形?その五条君が作ったの?へえ」


律子「ええ、木でできてるんですよぉ。色も塗ってもらいました」


南雲「ほんと。綺麗に塗れてるわね」


影山「どれどれ」


律子が人差し指から人形を外し、影山に渡す。それは木彫りの指人形で表面に木彫りの模様があり、彩色も施されたものであった。


影山「ほほう。これは巧みな。いいね、どう思う?立花さん」


律子「うーん、人形造りかぁ?手先は器用だし裁縫もできるみたいです。なんか、時々すごい集中してますよ五条君」


美子「人形ねぇ、人形、うーん」


咲子「かわいいねぇ。これ」


律子が五条に作ってもらった指人形を一年の三人が手先でいじっている。人差し指人形を見つめる影山。その口元がやや吊り上がっているのを律子は見逃さなかった。


影山「なるほど、うん。これが写真ね。恥ずかしそうにしてるね。五条君ね、ふむ」


影山「よし、有望」


南雲「何よ有望って、うん、いいんじゃないかな。活動報告」


咲子「ふむふむ、これでいいかぁ。データーのコピーいただけます?自宅のパソコンに移そっと」


影山「ああ、データは持って行っていいよ、わかるかな?蓄積する悦びが、こういうのを構築する楽しさってのがあるからね」


南雲「大越さんが、してる過去の活動報告のデーター?の変換、どうなったかしら。」


影山「一人でやらせてもね。そろそろ行くかなぁ」


影山「でも、まあ、まだ時間はあるかな、で?浩二君はどうだった?」


咲子「うちのクラスの石坂君のお兄さんですよねぇ、いやーなんというか」


美子「あ~石やんの兄貴かぁ」


律子「ひょっとしてすごいのか?って思っちゃいますね」


影山「だろ?すごいよあいつは。本性見てみたいもんだね」


南雲「本性っていったって、悪い意味じゃないでしょ」


咲子「えへへ、もらっちゃった」


そういって咲子はハート形のブローチを鞄から外し、指でいじる。そのブローチは変形展開する。咲子が指で展開し現れたプラスチックの部分を指で押すと液体が噴射されたかのようであった。


咲子「えっへへ。アロマアロマ」

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