第2話:部活動

高校生活がはじまり、初日。午前は時間割通りの授業は始まった。最初の各担当の教師の自己紹介からはじまり、事業が開始される。「優紀院高等学校」は文系と理系にわかれており、どちらも必須科目、選択科目共に45分授業である。咲子、律子共に文系であり選択科目も共通のものを選択している。クラス担当の八丁は「国語」とのことで、必須科目であり見知ることもおおそうであった。咲子としても八丁の清楚を感じされる雰囲気は好ましかった。化粧気も特段つよいわけではないが、美人だと思う。

 午後からは部活動の見学に割かれていた。この3日間で所属したい部を見学することができる。学校の方針としては、心身ともの育成として何かしらの部に所属してもらいたいようであるが帰宅部でも構わず強制としていない。咲子としては、楽しく学園生活を送りたいと期待しており、体育会系よりも文化系に気持ちがかたよっていた。律子も同じくらしい。二人として午後の自由時間をして教室横廊下で待ち合わせた。


咲子「律子、午後の見学まわろうか」

律子「今日はどうする?あたしはどちらかというと、文化部なんだけど」

咲子「3日間あるし、たくさん見て回ろうよ、運動部もみてみたいなぁ」

律子「いいけど、はいらないよ。絶対」


二人として、この機会に学内をよく見て回るのも良しとして行動を取り始めた。学校キャンパスには体育会系の部室が集まる体育会系部室棟と文科系の集まる文科系部室棟が分かれている。体育会系は広めのグラウンドから併設されており、文科系は校舎内の部活棟に併設されている。部活動見学は、事前に配られた用紙に場所が記載されており、二人として怖いものみたさに体育会系から見て回ることにしたのであった。怖いもの見たさが咲子としてあった。ただ、なるべくなら楽しく学園生活を送りたい気持ちがある、あと楽な気分でいたい。体育会系として「サッカー」「ソフトボール」「弓道」「バトミントン」とメジャーなものから見て回る。それぞれの部活の代表が、部の説明を行い。練習内容、週の練習日。部活においての気持ちなどが述べられる。一部体験や練習風景としての実演もあった。自分にもできるか、咲子の中でその気持ちはあったものの、やはり抵抗感を感じる。体力的に辛そうだ。律子は強い掛け声を感じると少し萎縮した動作をとっている。やはり二人には無理かと軽い気持ちになっている。


咲子「律子、どうかな体育部」

律子「あたしは、だからだめだって」「絶対途中で厳しくなる、最初だけだよ優しいの、きついの無理」

咲子「だよねー!!」「今日はこの辺にしとこうか」


部活動見学会初日はおおよそ体育部の見学でおわってしまった。帰宅のために鞄を取りにクラスに戻る。クラス内は帰宅の準備をしている一部のクラスメイトがいる。その中で咲子の近くの席の男子生徒が印刷されたA4用紙を複数視ている。気難しい顔をしている、文科系を見て回ったのか、いくつかの資料をもらったようだ。比較的、のんきな性格の咲子として男子を含めたクラスメイトには声をかけるのはさほど抵抗感はなかった。いわゆるやんちゃとしての雰囲気のある生徒は遠慮したいとこだけども。この坊主頭の男子生徒はまじめそうだ。


咲子「石坂君?何見てるの?文科系回ったの?」


咲子の声を聴いて、顔の向きを変える。呼ばれた少年。


正洋「ああ、いや、回ったけど・・・なんか、違う」


咲子「迷ってるの?」

正洋「そう、どちらかというと文化部になるのかな、と思って。でも書いたの見せたら苦笑いされた」

咲子「何か書いたの?あれ?コウガクロンブン、ってやる書いてるんだっけ」

正洋「そう、自分でも書いたの見せたんだよ、どちらかというと僕は文科系かなとおもって、これ」


どれどれと、咲子は正洋がすこし見せたA4用紙の束をみる。A4用紙で10枚くらいだろうか、表紙からはじまりたて型に読むようだ。コンビニ印刷だろうか。タイトルから始まっている。


「市街地攻略・攻城戦」 〇〇エリア攻略戦


タイトルを見て、頭のなかで意味不明な困惑を感じる咲子。


咲子(なんじゃこりゃ・・・攻略戦??)

咲子「どれどれ・・・」


クリップで束ねられた用紙をめくると、目次から始まり、咲子として意味不明な言葉が並ぶ。

・作戦立案

・作戦目的

・準備条件

・必用条件

・作戦決行

・作戦報告


これは一体。ぱらぱらとしてめくる分には小説ではなさそうだった。

咲子「これ、何」

正洋「自己紹介でも行ったけど、論文。市街地におけるいビラの配布をテーマにしてるんだ」

咲子「小説じゃないんだー」

正洋「違う、文化部で見せたら小説を期待されてたみたい。どうするかな。どちらかというと文化部なんだよね」

咲子「うーん・・・固い・・・かなぁ、もうちょっとやわらかいのがすきかなぁ、ライトノベルみたいなの」

正洋「ああ、やっぱり。うん、でも書いているのこういうのなんだ今。どうしようかなラノベね。」「このテーマで他のエリアもできるし、どうしよ」


話しながらA4の束を視ている咲子。小説ではない、文体も砕けているように思えず、ただ紙面には写真も挿入されており

これはどういう意味なのか、迷い気味になる。


咲子「どうやって書いたの、これ?」

やはり聞いてしまった。物語の創作とは違うようだし。

正洋「やった、実際に。」

咲子(ええと、これをやった? なんかビラを変換とか、シュートポイントと書いてあるけど・・)

正洋「創作とは違う、実際に事象を書くだけだから楽ともいえる、どう?」


楽、らしい。書くのだろうか。咲子には書かれている内容は幾分難しく感じられた。少し小汗を感じたい気分だ。

咲子「ええと、こんどよく見せてね。そろそろ帰ろうかな」

正洋「ああうん、感想聞かせてよ」


ちょうど律子が教室の入り口から手招きしている、帰宅しよう。それほど帰りに駅地下のアイスクリームを食べにいく約束をしている。母に学校の感想もきかれているのだった。咲子は正洋に、読ませてくれたお礼をして別れたのであった。ずいぶん、小難しい内容に思えた。論文?工学? 

咲子(なんじゃらほい、でも、まあ機会があれば読むのはいいけど。もっと軽いのがいいなぁ)

咲子の頭の中では正洋の事はしばらくして消え去り本日の残りの楽しみに注意が向く咲子であった。

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