私の彼氏候補たちの才能がニッチすぎる件

石坂正洋

第1話:入学

咲子にとって高校への入学が意識としての変わり目であったろうか、受験を突破し認められた形としての入学。いままでとして部活動や習い事をしてこなかったわけではないけれど

幼少からの友達の一部ともわかれあらたな人生の境目としての意識はあった。なるだけとして楽しく人生を謳歌したいと感じるのは、当たり前のことだろう。。ベッドから起きた身体は目覚め後の疲労感が多少としてある。昨日は多少の興奮と、友人の律子との携帯でのおしゃべりに夢中になってしまっていた。入学する高校 「優紀院高等学校」への受験突破の喜びと、新しい生活への期待に大分盛り上がってしまったのはいなめない。それほど遅くはない就寝時間であったが目覚めは良いとは言えなかった。


咲子「今日から、だよね学校」


咲子「準備しなきゃ」


まだ、鏡の前に試着として何度か着たことのない制服に目を向ける。入学としての注意が向いた要素の一つだ。かわいらしいデザインの制服として気に入っており、受験をする高校を決めた理由である。

これから、この制服を着て日常としての3年間を過ごす。昨日の律子とのおしゃべりの余韻がまだ残っているのか、頬が緩む。学びもそうであるが、遊びに行きたいところばかりだ。どんな目で見られるのか不安もあるし期待もあった。危ない事だけはしないようにしないと。律子との待ち合わせの時間には余裕がありそうだ。いつもの習慣としてシャワーを浴びて、身支度を整える。宇田川家として、入浴には寛容であり、シャワー程度なら機会が重ならければいつでも浴びる許可があるのであった。食卓のテーブルには母の清江と弟の智樹が座っていた。朝食はすでに準備されている。


咲子「お母さん、今日、律子と一緒に登校するから」

清江「あら、そう?それじゃ立花さんのご両親とも一緒ね、私も準備しないと」

咲子「お父さんは仕事?」

清江「そう、まあ私がいくからね、大丈夫よ」


清江は咲子の母で今年で40ぐらいだろうか、父とは若くして結婚、咲子を出産しており育ててくれている。父はエンジニアで忙しい身だ。本日の入学式には出席できないことは、前もってわかっていた。

家庭事情としては不協和音が起きることなく過ごせている。家族一同、平和である。家族としては中学に昨年入学した智樹がおり、朝食を口に運んでいる。


智樹「お姉、高校では部活すんの?」

咲子「どうしようか、まだ検討中」

清江「本分をおろそかにしなければいいわよ、あと危ない事はしないようにね」

咲子「うん」

智樹「僕は先に行くよ、お姉たちおくれないようにね」

咲子「うん、帰りは律子たちと一緒だと思う」


智樹は中学では、部活動には今のところ入部はしていない。人生としての指針にはまだ未成熟な考えのようで、特に縛りを感じたくはない様であった。部活動においても、見学会には参加したもの

体育会系、文科系ともに選択を悩んだまま時間を進めている。今は、友人たちあそぶ携帯ゲーム端末に夢中になっている。リビングのコンセントから伸びたケーブルに接続された携帯ゲーム機を取り外して鞄につめている。


咲子「学校でもするの」

智樹「まあ、休み時間にはあまり。昼とか下校途中とか」

清江「まだまだ時間あるわよ、友達と仲良くしなさいな」


平和な家庭ではあり、多少のルーズさがある宇田川家であった。自身もすこし抜けているといわれる時がある。もちろん、学業、体育、どれも人並みに注意が向くけれど、特段強い意志を以って履行しているわけではなかった。


清江「咲子も準備おわった?立花さんたちとの待ち合わせに間に合う、早めに行こうか?」


返事をし、準備のために自室へ戻る咲子。歯を磨くのも忘れない。煩忙として生業にいそしむ父のおかげで、4人家族が暮らすには十分な戸建てに住めている。住宅街であり、購入したのは咲子が中学に入学してからだった。それまでは、やや大きめのアパートに住んでいたものだ。母と共に準備を終え自宅をでる。宇田川家としては立花家は近くとは言えなくとも、親交のある家庭だった。待ち合わせとして高校までの経路中の公園まで向かう。母はグレーのスーツを身に着けいている、咲子はブレザー。母としても子のイベントとして楽しんでいるようである、自覚としてはあるが、幼年期から自身の成長を楽しみにしていた母として感じている。自分の事も大事にしてほしいが、趣味としての読書と話し相手には事足りているようであった。公園の入り口が視界に入るとすでに、自身と背丈の変わらず眼鏡の少女とパンツスーツ姿の女性が立っていた。少女の名は立花律子。幼年期から共に過ごしてきた友人の一人で一番気の置ける存在である。少し間の抜けた自身と気が合う、いわゆるオタク気質なところがある少女だ。自身の素行として、気の多い動向にも温かく見守ってくれている。パンツスーツの女性は律子の母親の理香。専業主婦ではなく、会社員であり編集者であるとのことだった。

清江よりも若くして律子を生んでおり、育児に専念しているわけではなく社会人として糧を得る事で家庭を守っている。父親とは別れており、咲子の母清江とは年の少し離れた友人として良好な関係を築いていた。4人は軽く挨拶として、「優紀院高等学校」へ向かっていた。お互い子と親とならんで歩を進めている。親の前でか、高校の話題は少ない、お互いの日常に関する話題が続いていた。母親ふたりは世間話に興じている、趣味の話と仕事の話が多いだろうか。理香は清江に仕事の話をしている。清江もそろそろ仕事に戻る頃合いだろうか。子供は二人ともそれなりに大きく育っている。

道を憶えなければ、徒歩で迎える距離であるがこれからは何度も足を運ぶ高校である。しかしとしてまだ通学として慣れしたんだわけではなかった。徒歩が面倒なら自転車を使おうか、許可の申請の検討も会話にまじえスマホの地図アプリを開いてみた。検索して「優紀院高等学校」を表示をする。しかし、位置の関係が把握しずらいように感じる。よくみるとアプリのマップのピンの位置がずれている。これでは500メートルも離れているではないだろうか。


咲子「お母さん、地図アプリ変なんだけど。これじゃ500メートルもずれてるよ」

律子「ちょっと貸してみて・・うん、たしかに近くの商業施設にピン、重なるね」

清江「地図?まあ道は大体おぼえているわよ」

律子「うーん、気になる、地名もずれてるんじゃないかなぁ。これ」


そろそろとして「優紀院高等学校」が近い頃合いだが、咲子が視線を背景にやると、子が入学する親子連れだろう。何組かがスマートフォンを目にやり周囲に目を移している。その内一組の会話がきこえる。


父親「この辺なんだろ?」

子供「もうすこし先だって、受験の時にいったからわかるよ」

父親「地図では違うんだけど・・すみませんこの辺に「優紀院高等学校」はありませんか、同じ入学生ですよね」


話しかけられた咲子たちであった。返答は理香がする。


理香「ああ、もう少しさきですよ。今地図アプリがおかしいみたいですね、一緒についてくだされば」


その時、横を通り過ぎる学生の言葉が耳に入った。


??「制裁だよ、当然だけどね。」

学生は身長172cmはあるだろうか。少し背が高い。なかなかとしてスタイルはよく見える。通学の歩にも迷いがなく。在学生だろうと思えた。


??「理解しないのが、悪いのさ。ま、僕としては当然」


男子学生の後に、遅れて坊主頭の学生が母親らしき女性と一緒についていく。


??「浩二、ちょっと待って。道まだわからない。」


浩二と呼ばれた学生が、振り返り口を開く


浩二「もう少し進めば、見えてくるよ。僕は先に行く、お母さんをよろしく」


女性が口を開く


女性「マサヒロ大丈夫だよ、一回行ったちゃ」

三人は咲子達より先に歩をすすめていった。


理香「ええ、もう少ししたら見えてきますよいきましょうか」


しばらく道を進めると、一度受験した学校の敷地が見えてきた。広さとしては、それなりに広く。設備も整っている。下校の寄り道としても駅にも通える距離だ。校門前では記念撮影している親子連れも多く、先ほどの親子とも挨拶をして敷地に入って至った。


清江「写真撮るでしょ」

咲子「うん。まずはお母さんと、それから律子達と撮ろうよ」

律子「私もお母さんと写真とる、先に咲子ね」


それぞれの親子から撮影のために校門前に並んで達。校門には「入学式」と立て看板が掲げられておりその前での撮影だ。スマートフォンの撮影を律子にしてもらい。律子達の撮影は咲子が行った。

最後に4人の撮影をしたいところで。近くにいた親子連れの二人組に咲子が声をかける。外国人であろう父親と思える男性とその子供と思える風貌の少年。ハーフだろうか父親とは少しことなり、日本人風の面容だった。


咲子「すみませーん、写真の撮影いいですか?」


咲子はこの辺、物怖じしないのか気軽に声をかける。日本語の素養の可能性は考えているのか、子供の方に声をかける。


二人の親子連れは、咲子の声に返答する前にお互い会話を挟む。


父親?「行けそうか、明」


そして明と呼ばれた少年が答える。


明「うん、5本かな」


父親「なるほど。まあそうだろうな。ところで撮影だってよ」


明「いいよ、スマートフォン貸して?」


父親の血は何人だろうか。アメリカ人かなとも思えたが、二人とも日本語は大丈夫なようであった。

明と呼ばれた少年にスマートフォンをわたす。


明「いいよ、写すね。4人とも並んで。笑った方がいいかな」


外国人の血が流れていると思える、明と呼ばれた少年であったがフランクともいえる口調で答え4人を撮影する。


満面の笑みとピースで撮影される4人。この辺、ノリは良い。撮影を終えた後、母親二人が明達に挨拶をして校門から学舎へ向かうのであった。

クラス分けはすでに分かっていた。律子とは違うクラス、しかし隣のクラスでありお互いそれほど親交の阻害には注意は向いていない。

クラスに入ると咲子は元気に挨拶をする。相手は誰でもないクラスという空間に対してである。


咲子「おはようございまーす」


クラスにはすでに生徒が席にすわっており、男女ともに定員の半数は占めているだろうか。咲子の挨拶にも、遠慮がちな顔、笑みをうかべた表情の女性ともいる。

男子生徒はおおよそ遠慮がちであり、無視され炊か形だ。返事を返してくれた一部の女生徒に顔をむけつつ黒板にかかれた番号に目をやる。

「A-15」 アルファベットはクラス名であり番号は席順のようであった。クラスの定員として30名弱。男女が半々、咲子は位置としてクラスの真ん中の席にすわるのだった。


咲子(残念、窓側がよかったかなー、真ん中じゃ視線があつまらないかなー)


おおよそ6列ならんだ席の隣の女生徒と少しずつ雑談を交えながら生徒の集合と教師の到着を待つ。全員あつまってから入学式として体育館に移動だろう。

式のスケジュールは決まっているほどなくしてクラスの定員がそろいつつある。男子女子共に半数ずつでちょうど構成されている。男子生徒の顔ぶれには通学途中

で目にした正洋とよばれた坊主頭の少年も存在していた。生徒が揃ったところで教師が入室する、若い。女性だ。これは咲子にとってうれしい要素であった。身長はそれほどなく

髪を後ろにしばり名を八丁百合香と名乗った。八丁の誘導により、生徒そろって体育館へ。クラス番号の若い順からの移動で、咲子達は一番として入学式の場である体育館に入る。

すでに入学生との保護者は体育館後ろに着席している。咲子達もクラス分けに設置されたパイプ椅子に座る。少ししてその他のクラスの学生たちも集まり入学式が始まった。


 入学式はつつがなく進む。途中在学生代表として、男子学生が挨拶をする。通学途中に、目にした学生だ。少し離れた席で小声が聞こえる


正洋「浩二か・・」


坊主頭の少年であり、二人は兄弟なのか?と咲子は一瞬頭によぎるが、目にする流れは新鮮にうつる。校長の挨拶もふくめて学校の訓示としては

それぞれの個性を大事にしてのびのびと過ごしてほしいとのことであった。学生の本分として道を誤らないよう述べられていた。


その後は教室に戻り、教師から学校における規則の説明や、必用となる用紙を配られる。明日から時間割の通りに授業が進むが、最初の三日間は午後は部活動見学の時間を割くとのことであった。八丁は穏やかな声で説明をすすめる。感じのよい女性だ。怖くなさそうと咲子は感じた。途中クラスにいる軽い調子の男子学生が声を挟む。


男子学生「先生、今、何歳ですか。教えてください―い」


八丁「27歳。もう、歳、聞かない、あなたのお嫁にいかないよ」


教師としての説明をふくめて、軽い小話も含めてその日は進んだ。入学式を終えて、クラスでの自己紹介が行われる。

一人ひとり、クラスの壇上に立ち、自己紹介が行われる。すこし空気をはずす生徒もいたが平和に進行したのではないだろうか。

自己紹介は正洋と憶えている男子の番になる。


「はじめまして、石坂正洋です。これからの学年生活よろしくお願いします、何か質問はありますか」


自己紹介の流れで、一度できた言葉の流れは流行りがあるものだ。正洋も、その他の学生にもれず質問に答える意向をしめした。

咲子が家族構成でも聞こうか、考えていたところ、別の男子学生が質問した。


男子学生「趣味とかってある、特技とか?」

正洋が答える

正洋「趣味は、工学論文を書く事です。いずれ読んでいただいて感想をいただければと思います。


一瞬、沈黙がながれる。論文の意味が悩む生徒がおおいのだろう、思考の時間が流れた。八丁が口を開く

八丁「感想文とかか、本の感想とか」

正洋「いいえ、テーマを見つけて論文を書いてます、自分流にですけど。テーマ選びと履行に悩む時があるけど。」

八丁「え?論文?履行?ああ、そう色々やっているのね。」

正洋「機会があれば読んでいただければ、感想が欲しいです」

咲子「タイトルとかあるの。論文?」

咲子が興味も少しわき質問する。趣味として論文とは。論文とはなんだ?

正洋「タイトル?ええ、ああ。今書いているのは「市街地攻略」とか・・まあ、機会があれば、よろしくおねがいします。


シガイチコウリャク?一瞬意味がわからなかった咲子であるが、自己紹介は後にもつかえている。自己紹介は次の生徒に移っていった。

本日の学校内の時間としては自己紹介で終わり、明日から本格的に授業がはじまるとのことっであった。自己紹介としては咲子のその言葉は彷徨い

困惑を含めてのものであったが、その人間性は受け入れられたようであり、少しお馬鹿として感じられはしたが、まあよしとして咲子の中では理解された。


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