源義経の事件簿③ 鉾田市殺人事件

鷹山トシキ

第1話

 2006年3月27日

 義経は鉾田市にやって来た。

 鉾田市の市街地にゾンビが現れた。🧟

 東京まで90km圏内、県都水戸市まで30km圏内に位置している。東側は太平洋に面し、南北に長い遠浅の海岸線を有する。内陸部のほとんどは平坦地であり、平坦な地形と温和な気候を活かした農業が基幹産業となっている。本市は主に合併前の旧大洋村村域において、1970年代末から1990年代初頭にかけて農地付きの別荘・セカンドハウスの開発が行われた経緯があり、畑(果樹・野菜)の中に簡単なつくりの住宅が点在しているが、買主が買ったままで放棄している様子の住宅も見受けられる。


 国道51号沿いの丘の下に海水浴場があり、一旦狭い道を海岸に向かって降りることになり海水浴客には多少不便。ただ高台からの景色は太平洋を一望するので雄大さがある。

 ゾンビは誰も食うことなく歩いている。既に死んでるから何も食わなくても生きていられるらしい。だから、腹を満たすために人を襲ったりはしない。

 危害を加えたりしない限りは食われないのだ。

 そろそろ桜の季節だ。

 ガソリンスタンドにやって来た。数年後はセルフスタンドがたくさん出来るが、まだ人の手によるものが主流だった。

 義経はHONDAのフィットに乗っていた。

『伯耆』というネームプレートをした中年の店員がガソリンを入れてくれた。

「サムライ、ボサっとしてんじゃない!」

 伯耆は小太りな店員に怒鳴った。そいつは大あくびをしていた。態度がなってない。 

 自販機で缶コーヒーを買った。ガソリンを入れ終わったようだ。義経は金を払い、ガソスタを後にした。

 3月8日 に発売された『純恋歌』(湘南乃風)や、3月15日 に発売された『SAKURA』(いきものがかり、メジャーデビューシングル)を聴きながらドライブした。窓を開けると涼しい風が入ってくる。


 2005年(平成17年)10月11日に鹿島郡鉾田町・旭村・大洋村が合併し鉾田市が発足。

 翌年の2007年(平成19年)4月1日 、 鹿島鉄道が廃止になる。

 義経がこの地にやってきたのは虚ろ舟を見てみたいと思ったからだ。

 虚舟の伝説の中でも最も広く知られているのは、享和3年(1803年)に常陸国に漂着したとされる事例である。

 大竹海岸にやって来た。🌊駐車場にフィットを止めて散歩した。虚舟の形をしたモニュメントを兼ねた遊具が設置されている。🛸

 鹿島灘に面しており、約1キロメートル (km) の直線的な海岸をもつ。美しい景観から「茨城のゴールドコースト」とも呼ばれている。

 海水浴のほか、サーフィンや潮干狩り場としても人気がある。

 義経は八龍はちりょうという甲冑を着ていた。

 八龍は、全身に8匹の龍(八大龍王)の飾りが付けられた甲冑。源為義の八男源為朝に与えられたが、7尺(210センチ)の巨漢であり、小さ過ぎたので、同形式で白糸縅の鎧を作らせて身に着けたという(大型八龍)。また、平治の乱では、義朝の長男源義平が着用し、敗走中に美濃の山中で脱ぎ捨てられた。『源平盛衰記』によると、後日源義経の手に渡り、屋島の戦いで戦功があった小林神五宗行に与えられたという。


 後世には鎧の代名詞的存在となり、龍の飾りをつけた甲冑はみな八龍と呼ばれることがあった。『信長公記』では、今川義元も桶狭間合戦で八龍の兜を被っていたという。

 八龍は源氏八領と呼ばれるアイテムの1つで、身につけることで悪人を3人殺すと不死身になる。

 保元物語では、源為義が八領が風で散り散りに吹き飛ばされるのを夢で見たことを理由の1つとして、出陣を断る場面がある。また、親子兄弟が敵味方となるにあたって、為義が義朝の下に密かに源太産衣、膝丸、沢瀉、八龍を届けさせたという。為義側の鎧は保元の乱で失われ、義朝側の鎧も平治の乱での敗走で、美濃の雪中に脱ぎ捨てて失われた。

 

 大竹海岸から目と鼻の先にある『すみだ』って民宿に泊まることにした。

 民宿でニュースを見た。

 近鉄けいはんな線が開業。


 東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)が、有明駅から豊洲駅間の2.7km延伸。


 参議院本会議で、平成18年度予算案が可決・成立。


 東京高裁が、オウム真理教の松本智津夫被告について控訴を棄却する決定を出す。


 統合幕僚会議及び同事務局を廃止され、統合幕僚監部が新設された。長は統合幕僚長となり、統幕議長時代よりも権限が強化された。


 義経は先月のトリノオリンピックを思い出した。荒川静香のイナバウアーは凄かった。荒川は金メダルだった。

 

 偶然にも殺し屋の平清範も『すみだ』に泊まっていた。オーナーの住田澄夫は女詐欺師、根来恵子の被害に遭っていた。

「出会い系なんかに手を出したのが馬鹿でした」

 恵子からは10万奪われたらしい。

「アンタなんか死んじゃえばいいのよ」

 奥さんの温子はかなり苛ついてるらしい。澄夫は白髪ボーボーで70歳くらいだ、温子は40歳くらいで足が美しい。

「ケンカはそこまでにしてください」

「すまんなぁ」

 澄夫は温子より弱いらしい。きっと、食器洗いとか全部澄夫にやらせてるに違いない。

 それにしても、藤原刑事もナカナカやるな?詐欺師は『リナ』ってハンドルネームを使っていたが、よく恵子だと分かったな!?

 最初にこの件を教えてくれたのは茨城県警の藤原なのだ。どことなく石原裕次郎に似ている。

 恵子を殺せば100万が手に入る。そしたら海外旅行にでも行こうかな?

 

 藤原英雄は3年前にある事件の加害者を秘密裏に葬っていた。ずっと昔に義経に言われた。

『バラされたくなかったら俺に協力しろ』

 義経は仁科海介にしなかいすけというハッカーの命を狙っているらしい。義経に仁科を殺すように依頼してきたのは侍渡さむらいわたるという人物だ。仁科は侍の名前を語ってハッキングをしていた。パチンコの業界団体を解雇された元顧問であったソフトウェア開発会社の社長の仁科が、その団体のサーバに侵入した。理事長の会社に損害を与えようと、情報をもとに文章を作成し、加盟各社に送付していた。

『アイツのせいで酷い目に遭った。ボスが理解力のある人だから仕事を失わないで済んだけど、サツは完全に俺を疑った』 

 水戸にある事務所で侍が怒りに震えながら言った。藤原はナイスアイデアを思いついた。事件現場を偽装して、佐藤渚に罪を着せる。渚は詐欺師で恵子にイロハを教えた人物だ。


 3月31日

 NTT東日本およびNTT西日本のICカード公衆電話とICテレホンカードが廃止される。


 神戸市中央区の神戸ポートピアランド閉園。


 堀江メール問題で民主党は、前原誠司代表および執行部が総退陣。永田寿康は議員辞職。


 佐藤渚はカワイイ後輩の恵子に会うため、鉾田市へとやってきた。北浦近くのファミレス『ビッグフォーク』で再会した二人であったが、和解するどころか口論となってしまう。

「あのときの分前、先輩全部持ってきましたよね!?」

「だから、謝ってるじゃない!」

「それが謝る態度ですか!?」

 渚はどことなくあぶない刑事の松村係長を演じてた木の実ナナに似ていた。


 そんな中、突如現れた平清範率いる3名の武装集団がレストランを占拠。客を人質にし、レストラン全体のセキュリティをも掌握してしまう。彼らの狙いは厳重なセキュリティの金庫に保管されている売上金、5000万であると恵子は推理した。

 渚や恵子は超一流のこの店を標的の候補として選んでいたのだ。🥩ステーキが超マイウ~。


 偶然トイレの為に席から離れていた渚は一人だけ難を逃れ、清範らが占拠するフロアから脱出。外部に非常事態を伝えようするが、その存在を知った清範が放った追手と銃撃戦になってしまう。   

 渚は元カレで鉾田警察署強行犯係の伴波助ばんなみすけにケータイのメールで通報すると、確認しにやってきた伴巡査部長は、ウェイターに扮した清範の部下、信濃潤一しなのじゅんいちの嘘で追い返されそうになるが、伴はそこまで愚かな刑事ではなかった。

 伴の無線に上司からゾンビが現れたからそっちに向かうようにと命令があった。

 やむなく、伴はホテル街へと向かった。

 清範はスタッフルームのテレビをつけた。ゾンビが人間を襲うシーンが映し出された。

 テロリストの3人目は安藤努だった。安藤は昔はクロワッサンってゲーム会社で働いていたのでコンピュータ関係には詳しかった。セキュリティを掌握できたのも安藤の尽力があったからこそだ。

 安藤は膝丸を身に着けていた。

 膝丸は、牛1000頭の膝の皮を集めて作ったとされる甲冑で、このため牛の精が入り込み常に現れては持ち主を嫌うため、埃を掃う時さえ精進潔斎しなければならなかったという。

「それにしても、おめぇ何だよそのカッコ。コスプレか?頭いかれてるのか?」

 信濃はあからさまに安藤を馬鹿にしてきた。

 信濃はかつて、『ビッグフォーク』でバイトをしていたが低賃金で売れ残ったら買わないと叱責された。いわゆる、自爆だ。

 信濃は店長を殺したくてウズウズしていた。

 円形脱毛症なので河童みたいだ。運の悪いことに店長は風邪で休んでいた。

「信濃よ、他の客や店員には手を出すな」

 清範は厳しい口調で言った。

「おまえ、何でそう偉そうなんだ?」

「東大卒だからな?高卒のおまえとは違うんだよ」

「テメェ!殺すぞ!?」

「声でけーんだよ!」

 安藤がキレた。

「鎧をけなされたことに根を持ってんのか?チビ!ちいせー野郎だ。身も心も幼稚園児並だな?アッチも小せーんじゃねーのか?」

 信濃が鼻で笑い、清範がゲラゲラ笑った。

 安藤の怒りは頂点に達した。

「水戸に幕府を築くぞ!」

 安藤はシャブのせいで源頼朝に成りきっていた。

「信濃!貴様は儂の計画を邪魔するつもりか!?」

 安藤は自動小銃で信濃の頭をぶち抜いた。

 そこに藤原が駆けつけてSATを突入された。催涙スプレーを隊員が発射し、安藤や清範は身動きが取れなくなった。

「確保だぁ!!」

 藤原は怒号を上げた。


 清範と安藤は護送された。

 車両塗色は市販車のまま且つ、屋根に警光灯がついている。

 窓は外から覗かれるのを防ぐためスモークフィルムが張られたり、またカーテンが装備されていることもある。被疑者の逃走を防止するため窓の内側に鉄格子が装備されたり、運転席と後部座席が金網などで物理的に遮断されていたり、ドアにかんぬきが装備されている。

「手荒な真似して悪かったな?」

 助手席の藤原が言った。

 藤原はゾンビ退治を安藤に託した。

「あの怪物を倒せるのは君しかいない」

 精神科医の八嶋、ゲームクリエイターの町田に次いで信濃で3人目だ。漸く安藤はモンスターを倒せるようになった。

 安藤はもとはクリエイターだ。武器に関してはそこまで詳しくない。

 自動小銃は装填のみが自動で、発射は一発ずつ手動で引き金を引く半自動小銃(セミオート)と、引き金を引けば装填・発射がともに自動で連続する全自動小銃(フルオート)に分けられる。通常、全自動小銃は単発、全自動の切り換え機能を有する。また、軍での運用では、全自動小銃であっても単発射撃、または2発 - 3発の制限点射射撃を基本とすると清範から教わった。

 安藤の所持してる自動小銃はAK47ライフルだ。

 実戦の苛酷な使用環境や、戦時下の劣悪な生産施設での生産可能性を考慮し、部品の公差が大きく取られ、卓越した信頼性と耐久性、および高い生産性を実現した。


 この特性から、本銃とその派生型はソビエト連邦のみならず、全世界に普及した。基本設計から半世紀以上を経た今日においても、本銃とその派生型は、砂漠やジャングル、極地などあらゆる世界の地帯における軍隊や武装勢力の兵士にとって最も信頼される基本装備になり、『世界で最も多く使われた軍用銃』としてギネス世界記録に登録されている。


 元々赤軍戦車兵だったミハイル・カラシニコフは、負傷入院中に銃器設計への関心を強め、1942年から小火器設計に関わる。


 1940年代中頃、カラシニコフを含む複数の設計者は、火薬量を抑え反動を軽減した中間弾薬の一種である新型弾薬7.62x39mm弾を用いるセミオートマチック・カービンの設計に着手。最終的にセルゲイ・シモノフの設計案が支持され、後にSKSカービンとして採用された。この時、ソ連当局では並行しナチス・ドイツが独ソ戦において投入したStG44と同種の「アサルトライフル」開発を計画していた。最有力候補は、短機関銃の設計者として著名なアレクセイ・スダエフが手がけたAS-44(ロシア語版)突撃銃だったが、スダエフの死去により頓挫。ほかにもさまざまな設計案が出たが、終戦後の1946年、カラシニコフが手がけたAK-46設計案が最初の審査に合格。さらに1年を費やし改良を進め、1948年に最優秀設計案として限定先行量産が決定。そして軍での試験運用を経て、1949年ついにソビエト連邦軍の主力小銃として制式採用された。


 戦車兵下士官だったカラシニコフは設計の専門教育を受けていなかったため、AK-47設計の際も正しい設計図面を描けなかった。彼に代わって図面を描いたのは、後に妻となる女性技師エカチェリーナ・ヴィクトロヴナ・モイセーエワであった。 当初の制式名称は「7.62mm アフトマート・カラシニコバ」であり、「AK-47」の呼称は、後にいくつもの改良型が登場したため、それらと区別するためであった。


 護送車は涸沼ひぬまの畔に停まった。

 涸沼は、東茨城台地、鹿島台地に囲まれた所に位置し、上流から笠間市を水源とする涸沼川や大谷川などが流れ込む。下流側では涸沼川が那珂川に合流し、そのすぐ先で海と通じており、満潮時には海水が涸沼川を逆流し、淡水と海水が混ざりあう汽水湖となっている。また、那珂川の氾濫時には淡水が涸沼に流れ込み、地形的に遊水池ともいえる。なお国や県では涸沼川の一部分という見解が一般的である。

 シジミの生産が盛んであり(1999年全国第4位)、涸沼沿岸では直売営業所も見られる。また、マハゼなどの魚の漁も盛んである。

 涸沼北部に涸沼自然公園などの公園施設がある。また、釣りやキャンプ、ウィンドサーフィンなどのレジャーなどに利用される。

「ヴォォォォ……」

 ゾンビの声がすぐ近くでした。

 藤原、安藤、清範は近隣を探したが逃げられた。



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