第14話
「 話があるんだ 」
「 わ…わたしですか? 」
美羽が恥ずかしそうにそう言うと、彼は小さく首を横に振った。
「 ごめん 君じゃなくて… 」
美羽は肩を落とし、一歩後退りしてしまった。
私?……
自分に指を指すと
彼は頷いた
『『 柚子木さん!? 』』
教室中が騒めき始めた、けど そんなの関係ない…
あの時の雰囲気と似ている
恐怖と不安で胸がドキドキして、何も考えられなくなったあの時と…
透き通る声と甘い香り
間違いない…
私は急に苛立ちを覚えた。
「 私は別に貴方となんか話したくない! 」
『 『 えーー!信じられない!』』
・・…・・・・
誰にも届く事のない、騒めきに掻き消された彼の言葉
けれど
大野涼太の唇の動きと、あの時の事を知っている私だけには
はっきりと聞こえた。
君に…謝りたい…と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます