【09:過去の禍根】
「フェイクプラントオーナーのフレンドになって!」
あのな。学校でゲームすんな。
小学校でもデジタルの浸食する世の中とはいえ、こうまで堂々とゲームをされると教師として一言物申したくなる。
一応小学生である厳島が俺以外に味方がいないとはいえ、こんなことでいいのだろうか。
「フレンド」
「後でフレンドID送るから」
そんなわけでそんなことになった。
「先生おっぱい好き?」
「今度は何だ?」
「んーと。男の人っておっぱいが好きって」
一応ボインは好きだが。ここでいうとセクハラになるので口をつぐむ。
「小学生が好きってことはおっぱい無い方がいい?」
「胸に貴賤はねえよ」
あかん。これもセクハラだ。
「じゃあパンチラとノーパンならどっちが好き?」
「おい。いい加減にしろ」
ガシッと厳島の頭を掴む。アイアンクロー。
「そうまでして俺を破滅させたいか」
「先生が好きなの」
「誘惑のつもりか」
「つもりっていうか誘惑」
彼女はスカートの裾をつまんで持ち上げた。吊り上がるスカートと、そこから見える生足。ギリギリパンツが見えない高さまでスカートが持ち上げられた。
「見たい?」
「超見たいけど遠慮しておく」
「遠慮しなくていいよ?」
「大人をからかうんじゃありません」
「からかってないよ。ガチ」
余計悪いわ。
厳島の俺へのプリンティングがかなり深刻だ。男子生徒にいじめられているという現状は座視できないが助ければ助けただけ彼女は俺に入れ込んでしまう。イジメから救ってくれる優しい人という広告が彼女をこの奇行に導いているのだろう。
「後悔するぞ。そういうことしていると」
「先生になら処女あげていいから」
「せめて女子高生になってからもう一度言ってくれ」
「じゃあそうする」
はい。じゃあそういうことで。
「じゃあ付き合おうね」
「厳島が? 誰と?」
「先生」
「何故に?」
「確保というかキープというか。先生格好いいから恋人になっていないと他の恋見つけそうだし」
あまりそういうことに縁はないんだが。たしかに厳島の危惧通りに全く無いわけじゃないのがまた。
「で、付き合った記念にハイ」
俺の手に何かを握らせる。なんだと思えばパンツだった。
「ちょ。おま」
「大丈夫。新品だから。脱ぎたてがよかった?」
「よかーないが残念という気持ちも無きにしも非ず」
「先生の性癖って本当に厄介だよね」
「お前が可愛すぎるのがいけない。小学生なのにすでにそこらの女の人より可愛いし」
「そんな女の子が全て先生のモノだよ? 嬉しい?」
「本当に好きにしていいんだな?」
「滅茶苦茶にして」
ちょっと覚悟完了みたいな表情にならないでほしい。
「じゃあはい」
俺は厳島の唇に指をあてる。そのままクチャと唾液を掬い取って、自分の口に持っていく。間接ディープキスだ。
「えへぁー」
そのサービス精神に厳島は顔を蕩けさせた。
「せーんせぃ」
「はいはい」
「だいちゅき」
「そりゃようござんして」
「あとフレンド」
「それな」
一応申請しておく。
「今度デートしよう? 先生とお出かけ」
「色々と破綻しているんだが、お前が良いならいいんだけどさ。ゲームとかしていた方が子どもって楽しいんじゃないか?」
「ゲームは好きだよ? でも先生がもっと好き」
「友達を作るとか」
「……私の髪……気持ち悪いって……」
銀色だしな。
「気持ち悪いんじゃなくて嫉妬するくらい綺麗なんだよ」
「そんなこと言ってくれるの先生だけ」
「はっきり言うけどな。お前ガチで可愛いぞ? それこそ大人だったら拉致監禁したいくらい。そういう大人に気をつけろよ。あと中学に上がったら男子生徒がかなり言い寄ってくるからな。そっちも自己責任で対処しろよ」
「先生の女だから大丈夫だよぉ」
「それ言ってくれるのはアレなんだが人前ではやめて」
「拉致監禁かぁ」
何を考えてる?
「先生の部屋にお邪魔しようか?」
「誘拐罪が適応されるから」
「家出の最有力逃避地に認定」
マジかよお前。
「いっぱいしたいことしていいのに」
「俺は小学生も抱けるぞ」
「いやん。先生のケダモノ」
「本当にな」
だから好意を向ける相手には近づきたくないんだが。
「じゃあせめておしっこを躾けてもらうくらいで勘弁してあげる」
いや。アウト。それ。すでに九回裏ツーストライクツーアウトランナー無し状態。
「先生が捕まったら毎日面会に行くから」
「まず犯罪者にしないことを念頭に置いてもらいたい」
「だって小学生だとエッチしたらいけないんでしょ? なんで十三歳未満だとエッチしちゃいけないの? 理由は?」
「ロリコンへの掣肘じゃないか? 犯罪として登録しないと真剣な恋以外も頻発するとか」
「イエスロリコン。イエスタッチ。少なくとも私は先生におっぱい触ってほしい」
またお前はそういう……。
「大きくなったなら」
何がとは言わないが。
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