第14話 スケート場に、二人で
その日のデ=レイは様子が明らかにおかしかった。
(一体、どうしたの? お師匠様ったら、よほど眠いのかしら……)
シエーナは助手としてフォローとサポートに徹しつつ、困惑した。
デ=レイはたびたび客の名前を間違え、ビーカーと紅茶のカップを間違え、釣りを渡すのを忘れた。
更には頭痛薬を買いに来た客に、おもむろに水晶球をかざし、意味もなく客の未来を読み始めていた。――見ちゃいられない。
館の主人の突然のポンコツ化に、朝からずっとハラハラさせられる。
そんな最中、昼前に館の扉を叩いたのはロンだった。
ロンは網がはち切れそうなほどの魚を背負い、得意満面で玄関に立っていた。
「ロン、本当に来てくれたの? たくさんお魚とれたのねぇ。凄いわ」
ロンが寒さで赤くした頰を緩ませながら、川で釣ってきたばかりの小さい方の網に入った魚を、網ごと差し出す。網からはまだポタポタと水滴が落ちている。
シエーナの後に続いてデ=レイが玄関までやって来ると、ロンは彼に向かって満面の笑顔で言った。
「これ、デ=レイさんにあげる! 王様の川の魚だから、遠慮しないで貰って!」
デ=レイは一瞬かたまった。だがロンの得意げな笑みを前に、デ=レイも流石に断れない。隣にいるシエーナも心底嬉しげに微笑み、彼を見上げてくるので、なおさらだ。
「お師匠様、良かったですね! こんなにたくさん」
「あ、ああ。そうだな……」
「お師匠様の今晩の夕飯にできますわね」
デ=レイも引きつる笑顔をなんとか浮かべる。
「ロン、……わざわざありがとう」
そうして国王の川から釣り上げられた、言わば兄の財産の一部を、ぎこちなく受け取る。
ロンは満足そうに笑うと、今度はシエーナに視線を向けた。
「お姉ちゃん、時間があったら後でスケート場の池に来てね。夕方は大人たちも滑るから、お祭りみたいに賑やかで、盛り上がるんだよ。楽しいよ!」
「それは良いわね」
「スケート板も借りられるし、焼きりんごも売ってるよ!」
スケートはこの辺りの村の、冬の娯楽の一つなのだ。
思わずシエーナは香ばしく焼けたりんごの味を想像し、ごくりと喉を鳴らしてしまった。
午後も四時を回ると、魔術館に客は一人も来なくなった。どうやらこの辺りの人々は皆、一大娯楽のスケートに向かってしまったらしい。
何やら溜め息をついて魔術書をひたすら読んでいるデ=レイを見かね、シエーナは提案した。
「お師匠様、今日は早めに魔術館を閉めましょう。この寒さですし、お客様ももう来ないのでは?」
窓を見ると、外と室内の温度差のせいか、結露が発生し水滴でよく見えない。
シエーナの提案を聞いたデ=レイはアイスブルーの瞳で宙を見つめたまま、溜め息をつく。
「そうだな。もう閉めるか」
返事を聞いてシエーナは安堵した。
この師匠がすべきことは、今すぐベッドに入ることだと思われる。
「お疲れのようですから、今夜は早めにお休み下さいませ」
「決して疲れているわけではないんだ。――ただ…」
ただ、考え事をしすぎて頭の中が疲れている。
頭の中をかき乱しているのは、全部シエーナだ。だがまさかそんなことを本人に言うわけにはいかない。
「君のことを考えすぎて辛いから、どうにかしてくれ」なんて、言えるだろうか。
デ=レイが悩んでいると、シエーナはにっこりと笑って言った。
「私、帰りに焼きりんご…、じゃなくて、スケートを見に行って来るつもりなんです」
そう言いながらシエーナは広間の隣の作業室に向かい、机の上に出ていた薬品を、棚に片付け始める。
焼きりんごのついでにロンを見るみたいな言い草になってしまった。食い意地がはっていると思われた気がして、少し恥ずかしい。
広間にいるデ=レイは座ったまま、腕を組んだ。
なぜだか分からないが、スケートとシエーナという組み合わせが、妙に気に食わない。
シエーナがどこかに出かけると聞くと、無性に胸がザワザワとする。誰と会って、何をするのか色々と勝手に想像が膨らんでしまい、彼女が見知らぬ誰かと――もしかすると男性と楽しそうに過ごすのかもしれないと思うと、良い気がしない。
(なんだこれは。私は助手を束縛したがっているのか? ばかな)
自分の感情の暴走に歯止めをかけようと首を振るが、脳裏に蘇るのは国立舞踏ホールでの光景だった。
シエーナはキラキラと輝くように笑い、マール子爵とダンスをしていた。
――ここで黙ってシエーナを見送れば、何かが手遅れになる気がする。
デ=レイは少し声を上げて、作業室にいるシエーナに尋ねた。
「そのスケートというのは、この季節に村人がこぞって向かう、渓谷の近くにある池のスケートのことか?」
「はい。ロンのせっかくのお誘いですし。焼きりんごもあるらしいですし。――私、運動音痴なものでスケートは全然出来ませんけれど、顔を見せればきっと喜んでくれます」
シエーナが作業室から広間に戻ると、デ=レイが尋ねた。
「……仮面舞踏会とスケートは、どちらが楽しいと思う?」
その質問に意表を突かれたが、シエーナは目をぐるりと回してから答えた。
「どうかしら。行ってみないと分かりませんわ」
デ=レイがまるで政治問題でも問うような、真剣な様子で尋ねてきたので、シエーナは困惑した。それにしてもこの師匠は随分と仮面舞踏会のことを話題にしたがるものだ。
もしかしたら、義妹の侍女のルルのように、実は国立舞踏ホールに憧れでも抱いているのかもしれない。いや、まさか。
シエーナがあれかれ考えていると、デ=レイが彼女の正面まで歩いてきた。そうして彼は力強く言った。
「スケートだ。――きっと仮面舞踏会より、楽しい」
そう断言すると、デ=レイはシエーナに微笑んだ。いつのまに取ってきたのか、既に肩に外套を掛けている。
「確かめに行こう」
「と仰いますと――?」
「私もスケートに行く」
その微笑みに妙な色気があり、シエーナは軽く衝撃を受けた。
魔術館を閉めると、日が落ち始めて外は暗くなっていた。
同じ場所に向かうのにバラバラに出かけるのも変なので、シエーナはデ=レイと連れ立って館を出て渓谷を歩く。
ドルー渓谷は木々に遮られ、地面に日が当たらないので、とにかく寒い。道が所々凍りつき、注意しないと滑ってしまう。二人は足元に気をつけながら、歩いた。
「池までいかなくても、ここでスケートできますわね」
ぼそりと呟くとデ=レイが苦笑した。
歩いて二十分ほどで池に到着すると、そこは既に村人達であふれていた。
周辺の住民全員が来たかと思うほど賑やかで、熱気で池の氷が溶けてしまいそうだ。
たくさんのランプが置かれ、夕暮れ時にもかかわらず、池周辺はとても明るい。
「ロンの言った通り、盛り上がってるわね!」
池の上には子供たちばかりでなく、大人たちもいた。
めいめいが自作のスケート板を履き、凍りついた池の上を滑っている。
この辺りの村の人々は慣れているのか、お年寄りまでが結構なスピードと、滑らかなスケーティング技術を披露している。
「シエーナお姉ちゃん!」
氷上から元気な声が上がり、目を凝らすとそこにはロンがいた。友人と滑りに来ていたらしい。
シエーナは思わず、隣を歩くデ=レイと顔を見合わせた。
特にスケートに対するトラウマもなく、元気そうに滑っていて何よりだ。
ロンに手を振り返しながら、池の端で靴の裏にスケート板を括り付ける。
シエーナが両手でバランスをとりながら立ち上がると、デ=レイは先に氷の上に乗り、軽く滑り出していた。氷を靴裏の歯が掻く、涼しげな音が続く。
シエーナは氷に乗った瞬間、つるりと足が前に滑り、尻餅をついた。なかなかに強烈な衝撃が尻を襲う。
しかも素早く立ち上がらないと、服が氷で濡れてしまう。尻が濡れるという、おもらしみたいな誤解を招きかねない。
惨状を回避すべく、必死に体重を尻から靴裏のスケート板に移動する。
「大丈夫か?」
デ=レイが手を差し出してくれた。それに掴まりながら、身体を起こす。
「お師匠様は、私よりスケートがお上手ですね」
「私もただ前に向かって滑れるだけだ。しかし、この辺りの子どもたちは本当に上手いな。……到底敵わないな」
感心したように笑うデ=レイの視線をたどると、池の奥の方では子ども達がジャンプをして二回転したり、華麗なスピンを披露している。
あまりの離れ業に、デ=レイが「あの子達は魔術でも使って滑ってるのか?」と呟く。
二人で並んで滑り始めると、シエーナが転びそうになるたび、デ=レイが笑いながら手を差し出す。
その笑顔が眩しくて、シエーナは少しドキドキした。
(魔術館ではあまり笑顔を見せないのに。意外だわ)
陰気な魔術館の怪しい魔術師が、好青年に見えなくもない。
こうして見ると、デ=レイは魔術師然としている時より、若々しく見えた。いつもと違う姿に、心乱される。
「シエーナお姉ちゃん、ほら見て! これできる?」
ロンが氷の音をガリガリと鳴らしながら近くまで滑ってくると、助走をつけてひらりとジャンプをした。着氷と同時にどうだとばかりにロンが両手を上げる。
「ロン、凄いわ!」
二人で手を叩くと、ロンは至極嬉しそうな照れ笑いを浮かべた。
ロンが滑って行ってしまうと、シエーナは少しの間足元を見つめてから、助走をつけ始めた。訝しげにデ=レイが尋ねる。
「何をしているんだ?」
「私も、ちょっと試してみますわ」
あんな風に跳べたら気持ちがいいに違いない。
ジャンプをしようと片足を振り上げ、氷の上に下ろす。そのまま跳び上がるはずが、シエーナの足は全く氷から離れず、そのまま止まってしまった。
「――どうした?」
「全然だめだわ。回転どころか、身体が上がらない!」
「そんなものか?」
そう言うとデ=レイが爆笑した。
面白そうに見てくるので、シエーナは恥ずかしくてたまらない。
「笑うなら、お師匠様もやってみて下さいな!」
デ=レイはひょいと眉を上げると、助走をつけた。そしてそのまま円を描いて滑り、急に止まった。
腰に両手を当て、首を傾げる。
「――本当だな。そもそも、こんなにツルツルと滑るのに、どうやってここから跳び上がるのか、全く分からないな」
「そうでしょう!」
シエーナは氷の上でジャンプをしてみようと、ロンの滑りを思い出した。ロンは空中に跳び上がる直前、片足の爪先を氷上に打ち付けて弾みをつけていた。
もしかしたら、あれがコツなのかもしれない。
そう気づいて、もう一度足をハの字にして、右足の爪先で氷を蹴る。
「――何をしている……?」
不可解そうにデ=レイがシエーナを見つめる。
シエーナはこぶしを握って構えたまま、何度も足で氷を打っていた。
「ジャンプの練習です」
「左足が一ミリも上がってないぞ」
笑いながらデ=レイがシエーナの真似をすると、今度はふわりと彼の身体が持ち上がり、半回転した。
すぐに着地したものの、ずるりと前に靴が滑り、デ=レイは盛大に尻餅をつき、そのまま数メートル先まで滑っていった。
「大丈夫ですか!?」
デ=レイを、慌ててシエーナが追う。
ようやく止まったデ=レイを見下ろし、思わず笑ってしまう。鈴が鳴るように無邪気に笑い声をあげるシエーナを、デ=レイは少々不貞腐れて見上げる。
「そんなに笑わないでくれ」
「ごめんなさい。だって、いつもカッコよく決めてらっしゃるお師匠様が! すってんころりと転んで尻餅をつくのが、意外すぎる光景なんですもの」
反論しようとしたデ=レイだったが、なぜか恥ずかしさや怒りよりも喜びの感情がむくむくと胸の中で大きくなり、口元がニヤけそうになる。
(……カッコよく、決めているーー?)
自分はシエーナの中で、カッコよく見えているのだろうか。そう思うと、心が躍って仕方がない。シエーナに言われた台詞を、頭の中で何度も巻き戻して再生しては、その冒頭部分に浮かれてしまう。
容姿を讃えられることなど、物心ついた時から掃いて捨てるほど経験してきたのに。
黙ってしまった師匠に機嫌を直してもらおうと、シエーナがデ=レイに手を伸ばす。
助け起こそうと彼の手を握り、下半身に力を込める。しかしながらその直後、シエーナの両足までもがつるりと滑り、座り込むデ=レイの上に倒れ込む。
「ごめんなさい!」
氷の上に這いつくばる二人の目が合う。
二人は目を丸くした直後に、ほとんど同時に吹き出した。
「なんだか私たち、情けないわ。子どもに完全に負けちゃってます」
シエーナがデ=レイの膝の上に乗っていたのは、ほんの数秒のことだった。彼女はすぐに立ち上がり、その接触をただの事故としか思っていないようだった。
だがデ=レイはあっけなく膝上から消えていったその温もりを、がっかりするほど惜しく感じた。
「練習しないと、まともに滑れませんね」
そういうとシエーナは滑走を始めた。
両手でバランスをとりながら、腰をやや屈めて左右に足を交互に動かし、速度を上げていく。
氷の表面は平らではないので、足首に力を入れて、転倒しないよう、細心の注意を払う。
風を切って滑るのが、スリリングで楽しい。
するとすぐにデ=レイが追いかけてきて、シエーナを追い越してしまう。振り返った彼は、してやったりといった表情だ。
そのままシエーナの前を滑るので、なんだか悔しくなってスピードを上げて食らいつく。
こうして二人は競争のように滑った。
「氷の上は寒さを忘れますね!」
楽しそうにニコニコと笑い、ハーフアップにした
なんと綺麗な髪だろうか。榛色の髪を、今までこんなにも綺麗だと感じたことはない。
榛色がこんなにも美しかったとは、気が付かなかった。
人々に人気がある髪の色は昔から金色だった。デ=レイも今まで、同じ意見だった。
だが間違っていた。
世界で最も美しく、好ましい髪の色は、榛色だ。
濃い蜂蜜のような色に指を絡ませ、触れてみたい……。
その衝動を抑えていた矢先、シエーナが前にいた人を避けようとして池の端に向かってしまい、曲がりきれずに転んだ。
転ぶときはあっという間で、ただ受け身を取るしかない。
氷に両手をつくシエーナに、デ=レイが急いで手を伸ばし、助けおこす。
両手でデ=レイの腕にしがみつき、立ち上がるとシエーナは困惑した。
(ええと、これはーーどういう状況かしら)
デ=レイが自分の腕を離してくれない。
当の本人、デ=レイもなぜ自分が離さないのか、よく分からない。
だがおかしなことに、もう少しシエーナを支えたかった。
ーー腕の中にいるのは、この辺りですら見かけないほど地味な娘だ。
でもなぜだろう、ずっと彼女に触れて、見つめていたくなる。
デ=レイはシエーナを引き寄せたまま、至近距離から彼女を見下ろした。
そうして自問自答する。
(これは一体なんなんだ? この感情をなんと呼べばいい?)
ついに手を伸ばし、シエーナの髪に触れてしまう。痺れるような快感が指先から胸の中にまで伝わる。
この甘酸っぱさたるや――そうだ。まるで十代前半の覚えたての恋心のようではないか。
こんな感情が自分にも残っていたとは、とデ=レイは密かに感動した。
思わず呟いてしまう。
「衝撃的だ……」
パチパチと目を瞬いて、シエーナは戸惑いの声を上げた。
「お、お師匠様……?」
この魔術師は、一体何をしているのか。いつも以上に理解し難い。
アイスブルーの双眸が、ど偉くひたむきに自分に向けられ過ぎていて、怖い。
その狂おしい美貌に、シエーナの思考が吹っ飛びそうだ。
するとデ=レイがシエーナの耳元にささやいた。
「教えてくれ。仮面舞踏会と、スケートのどちらが楽しい?」
この瞬間、シエーナは微かな違和感を覚えた。
これと似た場面に、以前も遭遇したような気がする。
デ=レイに耳元で甘く囁かれたことなど、ないはずなのに。
そもそも仮面舞踏会とスケートは、随分種類が違うもののように思える。そう言おうと口を開く。
「あの、仮面舞踏…」
言いかけるとデ=レイの顔が急速に曇り、アイスブルーの瞳が濃紺に陰ったので、これはまずいと瞬時に悟る。シエーナは焦って言い直した。
「じゃなくて、スケートですわ! もちろん」
一転してデ=レイの顔が花咲くように輝いた。
言わせた感が満載だが、それでも猛烈に嬉しい。
デ=レイは岸の方を指差した。
そこには簡素な机と看板が出され、村の女性がショウガジュースを販売していた。
「冷えてきただろう。一杯、どうだ?」
「ええ、良いですわね」
「私が奢ろう」
いっそのこと、ここにいる全員に屋台のジュースを奢りたい気分だ。
だがシエーナは遠慮がちにパチパチと目を瞬いた。
「まぁそんな。お気遣いいただかなくても結構ですわ。あの、こんなことを言うのもアレですけれど、私の父は割と裕福ですの」
どうやらシエーナはデ=レイの懐事情を案じてくれているらしい。
「ーーーー。それは知っているが」
富豪で有名なイジュ伯爵家の令嬢からすれば、渓谷の魔術師など、貧乏に思えるのかもしれない。
ほんの束の間、デ=レイは自分の爵位と経済状況について、洗いざらい教えてしまいたい衝動に駆られた。
(いや、くだらない。そんな見栄を、今張ってどうする)
心の中で自分を叱り、首を左右に振る。
一方のシエーナは、岸まで滑りながら頭を悩ませた。
ーーさっきのは何だったのだろう?
スケートを楽しいと、言ってほしい。先ほどはデ=レイからそんな思いをひしひしと感じた。
それにあの、甘い囁き声。
無意識に片手で自分の左耳を押さえてしまう。デ=レイにさっき口元を寄せられた耳を。
あの声が耳の中にまだ残っているようで、思い出すと落ち着かない。
焦りから来る胸の動機が、激しくなる。
まさかとは思うが、この魔術師は自分に好意を抱き始めているのだろうか?
いやいや、まさか。自惚れてはいけない。自分は助手としてろくに魔術を扱えないし、一人の女としても冴えなくてパッとしない。
何よりシエーナは生涯未婚を貫く予定なので、自分に恋愛を禁じている。だからたとえどんな間違いや奇跡が起きて、自分のようなイモっぽさ全開の女に誰かが好意を寄せてくれたとしても、困ってしまうだけなのだ。
(はやく、ル=ロイドとの契約書をなんとかしなくちゃ…)
ドルー渓谷の魔術館に、あまり長くいたくない。
シエーナはデ=レイのそばにいることが、徐々に怖くなってきていた。
この読めない魔術師に、自分の感情も少しずつ、揺さぶられている気がしていた。
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