…これで何度目だよ

紀之介

そもそも向いてないんじゃないのか?


 そうして人類は永遠の眠りについた。



「この通知、どこのプロジェクトの人類だ?」


「トハマヤ=オキユ氏担当の星系です」


「人類滅ぼしたの…これで何度目だよ」


「記録によると、153回目ですね」


「プロジェクトの担当者には、そもそも向いてないんじゃないのか?」


「─ 否定はしません」


「伝説のベア=ンズシウ氏みたいに、宇宙誕生初期に請け負ったのを ずっと維持しろとまでは言わないにしても…」


「平均のやり直し回数は3.1回ですしね」


「うん。やっぱり、トハマヤ=オキユ氏は向いてないよ。このプロジェクトには。」


「でも資格保持者ですから…本人が望む限り、申請書類に不備でもなければ 参加を認めない訳にはいきません」


「それは、そうなんだが…」


「せめて── 難易度が低いのを担当に割り振るとか、出来ないんですか?」


「そう言うのは嫌がるんだよ。何か、面子を気にして」


「担当者の見栄と無能で滅ぶ運命な人類には…同情しかないです」


「無力な我々に出来るのは ──トハマヤ=オキユ氏が早くプロジェクトに飽きて、引退するのを祈る事だけだ。。。」


----------


 そうして人類は永遠の眠りについた。



「おい。この通知、どこのプロジェクトの人類だ?」


「トハマヤ=オキユ氏が…担当の星系です……」

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