声を綴り、消す
「いってきまーす」
今日も朝日が眩しい、憂鬱な足を動かして駅へ向かう。
私は田中 綴。高校の芸術コースに通っている一年生だ。
学校の勉強が桁違いすぎて、ついていけない。
絵だって一番下手だ。
しかも友達もいない。
学校なんて行きたくない。行く意味ない。死にたい。
いつも一人だ。
スマートフォンでいつも愚痴を書いては、消している。
つまり私の人生、意味なし、消したほうがいいってこと。
通り過ぎていく、母親と手を繋いで歩く幼稚園児。Jkの集団。弁当袋を嬉しそうに持つ会社員。 幸せそうに笑っている。
さぞかし、生きるのが容易いんだろうな。
私だって、こんな家庭に生まれなければ、
このようなことは考えなかっただろう。
私の親は、暴力的だった。
離婚、飲酒、暴力、金。
嫌な幼少期を今も過ごしている。
いつもどおり。いつもどおりの朝だ。
学校についた。すぐ自分で消してしまう一日が始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます