第39話

「さっきから余裕だな。あの甲斐憲司ってやつ…」

 蟹川が唖然とした。

「はい、石原さんより余裕って感じですね…」

 月島は目を見張った。

「おい!石原を援護しよう!俺達は仲間じゃないか!」

 島が叫ぶと

「そうだね!」

 長曾我部が同意した。

「行きましょう!桜田さん、すみません!潤ちゃんお願いします」

 小夜が桜田に潤を預けた。

「わかった。警察にはもう連絡したから石原君を助けに行きなさい」

「はい」

 小夜は赤星のところへ走った。

 こうして、8人のスターの他のメンバーは赤星を援護した。

 赤星は周りを見ると

「皆…」

 と涙を流した。

「石原!俺達も戦う!」

 島が言うと

「今まで俺達、戦ってきたじゃないっすか!」

 薬師丸は叫んだ。

「ありがとう…」

 赤星がお礼を言うと

「友情ごっこはお終いだー!お前ら全員殺す!」

 甲斐憲司は発狂して赤星に殴りかかろうとしたが、島と長曾我部に腕を掴まれた。

「行け!石原!」

 島が叫んだが、甲斐憲司が島と長曾我部の腕を降り払い、2人の腹を拳で殴った。島と長曾我部は蹲ったが、すぐに立ち上がった。

 今度は、小夜と紅が甲斐憲司の腕を掴み、小夜が手錠を掛けようとしたが、甲斐憲司は2人の腕を強く叩いた。

「ひばり!夏目!」

赤星は叫んだ。

 小夜は急いで地面に落ちた手錠を拾おうとしたが、甲斐憲司が手錠を踏んづけた。

「手を離せ!さもないとコイツの命はないぞ!」

 甲斐憲司は片腕で紅の首を絞めていた。

「雅子ちゃん!」

 小夜はヒステリックになった。

 その時、長曾我部が甲斐憲司の腕を噛みつき、噛まれた瞬間、腕を紅の首から離した。

 紅は地面に転ぶと長曾我部に手を差し伸べ紅は長曾我部の手を掴み立ち上がった。

「三平さん!ごめんなさい」

「雅子ちゃん、謝らなくていいよ!雅子ちゃん頑張ってたから」

「ありがとうございます」

 紅はお礼を言った。


 甲斐憲司は自分が思っていたより8人のスターに手こずり、

「なんでだ!なんで俺がこんな奴に負けるんだ!俺は今まで正しいことをした!なのに…なのになんでだ!」

 発狂して近くにあった大木を殴り始めた。

 それを赤星と桜田が止めようとした。

「もう止めろ!」

「甲斐憲司さん、こんなの止めましょう。大人しく自首したほうが貴方のためです」

 桜田が諭すと甲斐憲司は目を真っ赤にして桜田を殴った。桜田は転んで殴られた方の頬を抑えた。

「桜田さん!」

 赤星は泣き叫んだ。

 他のメンバーは桜田のところへ駆け寄った。

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