第17話
赤星が公園を歩いていると月島が1人ベンチに座ってスマホをいじっていた。
「よっ!月島」
月島は赤星に気づき、
「お疲れ様です」
「隣いいか?」
「大丈夫です」
赤星は月島の隣に腰を下ろした。
「赤星さん、辛くないですか?苦手だった先生とまた対面する事になるかもしれないのに」
「辛いというか気分悪い!」
「気分悪い…」
「だってあの人の事で嫌な思いしかしてないんだし」
「僕も学生時代、上に立つ人間で嫌な思いしたんでわかります。その人は毒親みたいな人で僕に異常な期待感を持ってました」
「そうか…」
暫く沈黙が続き
「なぁ、月島!関係ないが、ちょっと気になったんだけど、お前この間皆で新宿御苑の周り走った時、お前だけ速かったなー。陸上やってたのか?そういえばお前の事前にどっかで見た記憶があるんだ」
「それに関してはお答えできません」
「ごめん」
「気にしてません。失礼します」
月島は足早に去った。
赤星は呆然と月島の後ろ姿を見た。
月島は帰る途中ランニングしている通行人や学校の校庭で走っている中学生だか高校生の姿が視界に入ると逃げるように走った。
走った後、月島の目から大粒の涙がぼろぼろ溢れ、吐き気を催した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます