8人のスター

目黒恵

第1話

 赤星新の仕事は、児童相談所の職員で、昨今ニュースで度々話題になっている児童虐待の疑いがある家庭を訪問している。

 そんな赤星にある事件が起こった。


 赤星は同僚の田中とある家を訪れた時の事だった…。

 赤星は玄関のチャイムを鳴らし

「すみません!児童相談所ですが、そちらでお子さんを虐待している疑いがあるとご近所の方から伺って参りました」

 赤星が用件を伝え終わると中から髪を金髪にした夫婦が現れ

「うちは息子に虐待してません」

 夫婦揃ってそれの一点張りだった。

 さすがに、不自然に思った赤星は夫婦が怒鳴っているのを無視し、田中と共に中に入り虐待の疑いのある子供を見つけた。

 子供はろくに食事を与えてもらっていないだろうかガリガリに痩せていて身体中には痣があった。

 赤星達を見つけた夫婦は赤星を押した。

「田中!先行ってろ!子供は俺が守る!」

「わかった!」

 赤星は田中にそう告げて子供を庇ったが、夫婦は怒りで我を忘れ、赤星を殴ったり蹴ったりした。その衝撃で赤星は、テーブルの脚に後頭部を打ってしまい蹲っていたが、目の前の棚にあるカッターナイフが目に付き、殴られる直前で赤星は棚まで無我夢中でダッシュし、カッターナイフを取り、夫婦にカッターナイフを向けて刺した。

 赤星は気がつくと自分の手に持っている血の付いたカッターナイフと目の前で絶命している夫婦がいた。

 赤星は思った。自分はあの後、子供を守る事に集中してしまい、夫婦を刺殺したんだと。


 赤星は、近所から通報を受けた警察に捕まり、裁判で懲役5年の判決を受け、刑務所へ入った。

 刑務所に入り1ヶ月経ち、その間、同僚の田中から赤星が庇った子供は児童相談所で保護されたという内容の手紙をもらった。

 そんなある日、赤星は刑務官から面会室に来るよう言われ、行くとそこには初老の男がいた。

「はじめまして。君が赤星新君だね?私は、桜田宗次郎と申します」

「はい。赤星新です。あの、私に何か…」

「ごめんなさいね。実は、君に今すぐ来てほしい所があるんだよ」

 桜田からそう言われ、赤星は翌日刑務所を離れ、桜田から貰った地図を見ながら新宿にあるオフィスビルに着いた。


 赤星が中に入るとそこには、桜田と男女7人がいた。

 桜田は、赤星の姿を見つけ、

「赤星君!よかった!来てくれた!これで8人揃ったね!君達8人のスターが!」

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