アホウ鳥の嘆き
高山長治
第1章 憤慨
夜の帳が降り、飲み助らの酔いが回り始めた頃、突然罵声が響き渡った。
「馬鹿野郎、さっきからなんで。お前のぼやきなど、もう聞きたくねえ。いい加減にしろ!」
よほど癇に障ったか、それとも腹に据えかねるのか、相棒が怒鳴った。
さもあろう。嘆く者には憂さ晴らしかもしれないが、聞く者にはたまったものではない。
唐突に怒鳴られ、ついとたじろぐ。
「何だよ、急に……?」
憤る相棒、収まらぬのか相手を睨みつけた。
「まったく、さっきから愚痴ばかりじゃねえか。せっかく、気持ちよく飲んでいるのに。これじゃ、ストレス解消にならねえや!」
そう貶され気づいたのか、怒鳴られた奴が素直に詫びる。
「それはすまん。迂闊にも愚痴っていたな。それで、気分を害したなら許してくれ」
愚直に詫びを入れられ、相棒も矛先を収めた。
「いや、謝られちゃ、これ以上突っ張るわけにはいかんな。それより、こっちこそ、急に怒鳴ったりして悪かった」
逆に詫びた。すると張り詰めた空気が和らぎ、互いにグラスを口に運び気持ちを鎮める。
「……」
「……」
間が空くが、残りの少ないグラスを覗き、相棒が店員を探し片手を挙げた。
「おいっ!」
すると、呼ばれた店員が気づき近づいた。
「何か御用でしょうか?」
「すまんが、焼酎のお湯割りをくれ!」
周りを気遣うことなく、少々大きめな声で注文した。
「はい、かしこまりました。直ぐにご用意させて頂きます」
「おお、出来るだけ早く頼む。それじゃねえと酔いが醒めちゃうからよ」
場を盛り上げようと洒落た。するともう片方が、「俺のもついでに頼む」と、空のグラスを掲げた。
「かしこまりました、焼酎のお湯割り二つ受け承りました。あの、他に何かご入用なものはございませんか?」
店員が控え目に伺った。
「そうだな、それじゃ、お新香でも貰おうか。あっ、それも急いでくれんか」
すると、相手が繰り返す。
「急いでくれよな」
「かしこまりました。それでは焼酎のお湯割り二つと、お新香の盛り合わせをご用意させて頂きます」
復唱し席を離れた。店員とのやり取りで和んだのか、怒りを収めた相棒が不用意にも漏らす。
「しかし、このままでいいんか。毎週、こんな居酒屋で飲んだくれ、愚痴ばかり垂れていてよ。こんなことしていたって、職場が変るわけじゃねえ。まったく、嫌になっちゃうよ」
すると、振られた相手が口ごもる。
「まあ、そう言われてもな……」
訝りつつ、相手の様子を窺った。さもあろう、激怒した者が嘆くこと自体おかしなことだ。伏し目がちに憤る。
何を抜かす、今しがた怒鳴ったばかりだろ。それを、舌の根も乾かねえうちに、あんたの愚痴かよ。ふざけんじゃねえ。「何が、こんなことしていたって、職場が変わらねえ」だ。聞いて呆れるよ。
明らかに不快感を募らせた。そしてぶすっとし、残り少ないお湯割りを飲み干しぶちまける。
「ちぇっ、酒がねえじゃねえか。朴念仁の店員野郎が、何時まで待たせるんだ、早く持ってこんかい!」
そんな八つ当たりする相棒に、察しがつかぬのか頓珍漢に同調する。
「そうだよ、ちょいと遅いんじゃねえか。俺のもなくなっちゃたし、早く持ってこんかいのう」
そんな気づかぬ自己中の相棒に、気持ちが切れた。
「あのな、いい加減にしろよ。さっき、お前なんて言った。飲んでいる時によ、急に怒り出しただろ。俺もそん時は愚痴っていたと反省したんだ。それを今度は、お前がぼやいているじゃねえか。まったく、ふざけんじゃねえよ!」
一気にぶちまけ、グラスをカウンターに「ゴン!」と置いた。すると、一瞬、あっけにとられる。
「……」
「何、黙っているんだ。文句があるなら言ってみろ!」
その気勢に、眉間に皺を寄せ憮然と応じる。
「何だ、お前喧嘩売る気か!」
二人が睨み合った。
「ああ、そうだ。お前が先に、屁理屈言って怒鳴ったんじゃねえか!」
「何だと、何時俺が屁理屈言った。お前がぐずらぐずらと愚痴っていたのがいけねえんだろ。この居酒屋に来てからずっとだ。始めのうちは、聞いてやったさ。けど、終わりがねえ。それで我慢できなくなって、怒鳴ったまでのことだ!」
「それは悪かったから、詫びただろ。俺に非があると思ってな。それを、今度はお前が愚痴ちり始めたじゃねえか!」
すると、怒鳴ったことなど、ついと忘れてか訝った。
「えっ、俺が愚痴ったか……?」
「そうだ!」
「ええ、俺が愚痴を言ったかな……?」
「何だ、今言ったことも覚えてねえのか!」
「そう言われても、はて、何を言ったか?俺が愚痴をね……」
「馬鹿野郎、お前物忘れがひどくなったんか。今言ったことも忘れてよ」
上げた拳も空花火となり、仕方なさげな諦め口調となる。
「困ったもんだぜ。しょうがねえ、それじゃ教えてやる」
「おお、お前が急に怒り出すなんて尋常じゃねえからな」
買った喧嘩も消沈し、尤もらしく抜かした。
「ちぇっ、何を言いやがる。これだから年寄りは困るんだ。さっき、俺を咎めて、こう言ったんだぞ。『毎週、安居酒屋で飲んだくれ、能書きばかり垂れて。こんなことしていたって職場が変るわけじゃね』って。そうほざいていただろ、思い出せねえのか?」
怒ったことが阿呆らしくなり、醒めた口調で告げた。愚痴った本人も気づいたのか、罰が悪そうに謝る。
「ああ、そうか。このことか、……これはいかん。怒鳴っておいて、お前の感情を逆撫ですることをしでかした。何という失態、悪かった、怒るのも無理はない。この際詫びとして、気が済むまで俺を殴ってくれ。それで収まるなら、そうしてくれや」
白髪頭を前に突き出した。
「さっ、やってくれ。気の済むまで殴ってくれ!」
目の前に出され戸惑う。
「おいおい、待ってくれ。こんなところで汚ねえ頭を出され、叩けと言われても出来るわけねえだろ」
「いいや、それじゃ気がすまん。怒らせたのは俺の軽率さからだ。早いとこやってくれ」
「何、言ってんだ。気持ちは分かった。だからもういい。何時までそんな格好している。ほれ、周りの皆が見ているだろ。もう止めてくれ!」
グラスを持つ手で制止しようと出したところに、先ほどの店員が注文品を持ってきた。
「お待たせしました。焼酎のお湯割りを、お持ち……」
二人の妙な格好を見て、勢い告げる言葉が止まった。すると、店員の声に反応し、詫びる男が頭を上げた途端グラスに当たった。
「ゴン!」
「わっ、痛って!」
男の悲鳴に、当てた男が申し訳なさそうに、手に持つグラスを引っ込めた。途端に、当てられた男が頭を摩りながら笑い目になった。その様を見て、すまなそうに詫びた。
「いや、当てるつもりはなかったんだ。お前が急に頭を上げるから、いけないんだ。意図的にやったわけじゃねえ。これは偶然だから勘弁してくれ!」
「ああ、分かったよ。それにしても痛かった。後頭部に直撃したからな」
「いやいや、俺もびっくりしたぜ。急に頭を上げるんだものよ」
そう照れながら、視線を店員に向けた。
「おい、お前がいけねえんだぞ!」
急に振られ、困惑する。
「あいや、そんなことおっしゃられても。私はご注文頂いたお品を、お持ちしただけでして……」
「いいや、それはいい。しかし、お前が大声で言うから、酒が来たと頭を上げてしまったんだ。黙って持ってくれば、こんな痛い目に合わなかったのに。どうしてくれる!」
とばっちりに戸惑う。
「あの……、そうおっしゃらましても……」
すると、調子づき相棒が毒づく。
「そうだ。静かに告げれば、白髪頭に当てずにすんだ。こいつの頭石頭だから、衝撃で手が痺れてしまい、今でも若干痛みが残っている。もしかして、捻挫したかもしれん。痛ってて……」
わざとらしく手を庇う。
「誠に申し訳ありません。私目が大きな声を出さなければよかったのですが、配慮せずご迷惑をおかけしました。何とお詫びしてよいやら。あの、手の方は大丈夫ですか。それに、そちらの方の頭はいかがでございますか?」
益々恐縮し詫びた。すると、その様を窺い冗談を言う。
「ああ、こいつは石頭だし、元々よくないから『頭はどうか?』と心配されてもな」
「いいえ、そう言うことではなく。お怪我はいかがかと、お伺いしたのですが?」
「ああ、そうなの。俺はまた、こいつの頭がおかしと聞いたんかと思ったよ」
「いいえ、そのようなことは申しておりません……」
二人の呑み助は、恐縮する店員をからかっていたが、にたつき促す。
「何時までも、そんなところに突っ立っていないで、早くお湯割りと漬物を置いたらどうだい?」
「は、はい。気づきませんで、申し訳ございません」
慌てて、二つのグラスと漬物皿を置くなり、「失、失礼します」と頭を下げ、そそくさと下がった。そんな様を窺う二人は、先ほどらいのいがみ合いが嘘のように、屈託のない笑みに変わっていた。
石頭の男が、焼酎のお湯割りを口に運び、疑問を呈する。
「しかし、さっきは何だったんかな?」
すると、叩いた男が返す。
「いや、もう忘れたよ。他愛ない戯言だったんじゃねえか。はっきり覚えちゃいねえぜ。それより今日は花金だ。一週間の溜まった疲れを、飲みながら癒そうや」
「そうだな、俺らみたいに歳とると、つい後ろ向きになるからいけねえ。気づくと愚痴ったり、他人の粗ばかり探している。気をつけないかん、まったくもってよ」
「そうだな。俺なんか他人ごとじゃねえ。気づけば、そんなことが日常茶飯事だ。しかし、若い頃が懐かしいよ。あの頃は何時も前向きに語り合い、痴話喧嘩していたからな。近頃、そんなことないもんな」
懐かしむ一方、一抹の寂しさが漂う。
「それにしても、昨日の部長の言い草はなんだ。おっといけねえ、反省している傍からこれだ。お前にまた殴られちまうぜ」
うっかり男が首を竦めた。
「何、言ってやがる。お前の石頭なんか叩いたら、こっちの手がいかれちまうわ。そうだ、いいこと思いついたぞ。今度愚痴ったら、このグラスで叩いてやろうか。お前の頭なんぞ硬いわりには中身がねえから、さぞ響きがいいだろうて」
「何を馬鹿なこと言っている。そんなんで叩かれたら怪我しちまうわ。それとな、言っておきたいが。中身がねえって、そりゃお前と同じだろ。他人のこと言えるかよ。何なら試してもいいぞ」
「それは勘弁してくれ。グラスで叩くなんて冗談だからよ!」
悪びれることなく両手で頭を覆った。
「馬鹿野郎、そんなことするか。ところで、痴話喧嘩の原因だけど。俺らにとってその話題がなけりゃ、安酒飲む肴がねえよ。そう思わんか?」
「確かに、そうだ。こんな花金に、それがなけりゃ焼酎も美味くねえわな」
「そうだよ、それじゃこの際、愚痴零しは解禁にするか?」
「いいんじゃねえか。と言うことは、何時もと同じだな。やっぱりこれじゃなくっちゃ、花金の飲み会は盛り上がらねえぜ」
「溜め口きかなきゃ、一週間の憂さなんぞ晴らせねえだろう。そのためにこうやって、飲んでるんだ。発散せず帰ったひにゃ、明日からの労働意欲が湧かねえって言うもんだぜ」
「ほう、俺は休みだが、君は明日も仕事かね。それはご苦労さん」
「あっ、いけねえ。明日は休みだ。まあまあ、そう言うことで。今夜は溜まった毒をアルコールで流し、土、日の二日間で英気を養い、来週また頑張る。そのためにも、花金は必要だわさ。
そう思わんか。月曜から毎日、口煩い上司から重箱の隅を突っつかれ小言ばかりだ。説教も理屈が通っていれば、それなりに納得し改めようと思うが、そうじゃねえから始末に負えん」
うんざり顔で鼻を膨らませるが、暢気に嘆き節を唱えだす。
「偉そうに、阿呆、阿呆と、アホウ鳥呼ばわりするなかれ。アリャサ。己とて元を正せば我らと同類平社員。そうじゃありませんか、部長さん。コリャさ。やる気を出させようとなさるなら、部下の目線に立たなけりゃ、アリャ、決して奮い立せることはできません。高いところにお止まりて、能書き垂れているだけじゃ、コリャ、絵空の如く空回りするだけよ。アリャサ、そっぽ向け、コリャサ、そっぽ向け。アリャコリャ、アリャコリャ、よいよいよい!」
ついでにアホウ鳥の真似をし、両手を広げ惚け顔で首を突き出し羽ばたく真似をした。
「何を訳の分からんことをほざき、変な格好してんだ。ぼやいたところでどうなるもんでもあるまい。要は酒が飲めればいいんだろ。妙な節回しで、阿呆らしい嘆き節なんぞ連呼しやがってよ。これだから俺らのことを、阿呆面した古びた歯車なんて言われちまうんだぞ」
「まあまあ、一週間に一度の楽しみだから勘弁してくれや。君の場合は直ぐ剥きになるから、それが最大の欠点だな。それさえなければ、非の打ちどころがないんだが。もっと大らかに胸を広く開け。大きな度量を持たんといかんな」
「ああ、分かったよ。胸を開かせればいいんだろ。大きく開かせんと揉んでやれねえからな。けれどそうするには、雰囲気が大切だ。いきなりボタン外しちゃ驚いて抵抗されるぞ」
「何を馬鹿なこと言っている。そんな助平なこと言ってんじゃねえや。お前の日頃の行いを説いているのに、女の胸を開けて揉んでやるなんぞ、とんでもねえことを抜かしやがる。だからお前は、人間的に進歩がねえと言われるんだ。そこのところを大いに反省しろや。まあ、今日のところはよしとして、土日の二日間で改めるべく滝にでも打たれて来い」
「おお、打たれる修行は毎日やっているぞ!」
「何、修行をしているだと?」
「ああ、お前と違って鍛錬を欠かしたことがない。それでなけりゃ、いざと言う時長持ちしねえからな。この修行も一筋縄では、思った効果は期待できん。強い精神力が求められ、その荒行を成し得た時こそ、大いなる満足が得られる。どうだ、君も挑戦してみるか?」
「はあ、何が言いたいのか分からんな?」
「あれ、君は日頃鍛えておらんのか?」
「何をだよ」
「何をじゃない。持続力を保たせる修行だが、もしかして、すでに会得しているのか?」
「何だ、さっきから長持ちしねえとか、強い精神力とか。一体何のことだ?」
「あれれ、惚けちゃって。あっちの方の話じゃねえのか?」
「何っ、あっちの方って。……まさかあれのこと?」
「あいや、その通り。男の役目として、女性を満足させるには、なにの時三擦り半じゃ役立たずと罵られる。それでは、男の甲斐性が問われるのは必定だ。そこで日頃の鍛錬が欠かせない。お前が今強調していただろ」
「ううん、そんなことのために、何か言ったか?」
「滝に打たれて来いと言っただろ。まあ、俺の場合は滝ではなく水道水だが、せがれに直接あてている。きゅんと引き締まる感覚がいい。どうだ、試してみるか?」
「何、阿呆なこと言っている。呆れてものも言えん。そんなことをやれと言ってんじゃねえや。まったく話しにならん。この助平野郎が!」
「何だ、そうなのか?それなら端からそう言ってくれればいいのによ。てっきりあっちの方かと思ったぞ。ああ、勘違いして損した」
「しかし、お前という奴は何を考えているんだか。よくもまあ、そんな能天気なことやってんな」
呆れ顔で貶すが、何か神妙な顔で問う。
「……ところでよ、その方法って効くんか?」
「あれ?効くって何かだよ!」
惚けると、興味有り気に問う。
「だから、日頃鍛えているんだろ」
「おお、これか。効くっていうもんじゃない。この金冷法を取り入れると、それこそ持続力が数段アップし、そりゃ、女の子がひいひいだ」
「本当かよ。そんなに効き目があるのか……?」
「あれ、さっきの剣幕はどうした?そうか、君の場合はあっちの方が、どちらかと言うと三擦り半かな?」
「馬鹿野郎、そんなことあるもんか!」
「それじゃ、さぞかし女の子が悦び泣くんだろな」
「いや、それが……。なかなか充分とはいえんのだ。結果的にそこまで叶えられん。とほほ……、ここが辛いところだ」
「そうかいそうかい。それじゃ、さっきの能書きは絵空言だな。剣幕も己の不甲斐なさへの怒りと解釈していいな」
「ああ、何とでも言え。くそっ、人の弱みを握るとこうも変わるもんか。でも仕方ねえ、教えを乞うには下手に出にゃならんで。ああ、忌々しいが教えてくれや」
「そこまで言うなら教えてやってもいい。それじゃ、耳をかっぽじって聞けや!」
「分かったよ、エロ先生。効果が倍増するように、秘訣を教えてくれ」
「エロは余計だ。しかし、何時もお前はこれだ。人にものを教え乞う時の態度かよ。何時になっても直らねえな」
「はいはい、すみませんね。日頃修行が足りないもんで、勘弁してちょうだいな」
「しょうがねえ野郎だ。口ばっかり達者で、まったくもう」
「大先生よ、早く教えろや」
「ちえっ、しょうがねえ教えてやっか」
得意気な顔に変わり、咳払いし講釈しだす。
「うっへん。ええ、金冷法の極意とは鍛錬に在り。すなわち、蛇口にむすこをかざし、水道水を勢いよくかける。それで一分耐え一分外しと、これを五回繰り返す。最初は冷やっこいが直ぐに慣れる。大きな効果を期待するなら、これを朝晩欠さず続けることだ。その鍛錬期間だが、最低一ヶ月は必要となろう……赫々云々。
そしてやり遂げれば、必ずや持続力が倍増し絶倫の域に達する。さすれば女子どもは、ひいひいと泣き悦ぶこととなり、お主の膝元に平伏すであろう……」
法螺説教に、ぽかんと口を開け聞き及ぶ。そんな態度に活を入れる。
「おいっ、聞いているのか!」
「は、はい。聞いております。大変ためになりますゆえ、早速、今夜から修行したいと存じます」
思わず欲望の本音が出た。すかさず背中を押す。
「おお、いい心がけじゃ。成功を祈る」
そう促されると、
「よしっ、これで鍛えれば。うっひひ……」
助平根性丸出しで、意味深の含み笑いを顔中に漂わせた。
そんな下品な話が進み、杯が重なるうち、華やぐ金曜夜の居酒屋で益々酔いが回っていた。
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