第4話



「 ど!どういうことだ!舵が効きません! 」


嵐の雲を避けようと、舵取り達は方向変換を試みたがまったくうまくいかない。


船はそのまま渦巻き状の雲の真下に吸い込まれていった。


『 ミシミシッ… 』


「 万事休すか!?… 」


亀裂が入り真っ二つに裂けようとしている船。


その反対側に残ってしまった父上が何かを叫んでいる。


「 剣人!・・・・・・ 」


「 父上! 」


『 ガシッ! 』


紫色の布に包まれた細長い物が、俺の胸めがけて投げつけられた。


「 うッ うわーーッ! 」


「 剣人ーッ! 」


「 ちッ!父上ーッ!」


瞬く間に、船は風に煽られ転覆してしまった。


無残にも、二つに割れた船は竜巻に吸い込まれ、雲の中へ跡形も無く消えていった。


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