第42話 白い部屋

彼が意識を取り戻した時、そこは「白い部屋」であった・・・



彼は暫く自分が何所にいるのか理解出来なかった。

やがて看護師と3人の医師が現れ、彼の担当だと言った。


「ここは病院・・・? いったい何の病気で・・・?」

彼は何故かうまく働かない頭で考えていた。

彼が横の窓を見た時、全てを理解した。



窓には「鉄格子」が嵌っていたのだ。



「ここは・・・ 精神病院・・・!」 

「まぁ、自業自得だな・・・」



彼はあれだけの騒ぎを起こしたのだから、入院は当然の結果だと思った。

実際は大学病院の精神科病棟であった。

「白い部屋」は危険な患者を一時的に隔離する為の部屋であった。

2日ほど「白い部屋」にいた後、彼は一般病室へ移った。


一般病室は比較的軽い症状の患者が入院している開放病棟であった。

ここはごく普通の病院の病室と変わらなかった。



「暫くおとなしくして1ヵ月位休んだ後に、医師にを話せば退院させてくれるだろう」



彼は自分がまだ「正常」だと信じていた・・・

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