苦闘高校編

第24話 新天地

4月、彼は県立T高校の1年生になった。


T高校は60年以上の歴史が有る伝統校であったが、元々が女子高だったので何処かノンビリとした雰囲気のある校風を持っていた。

高台に建っていた校舎からは街が一望出来て、とても気分が良かった。


彼は部活動に理学部を選んだ。

「理学部」とは名ばかりで、パソコンやアマチュア無線・天体観測などの理系文化部の集合体であった。

集まっている部員も一癖も二癖も有るが多かった。


彼がこの部活を選んだ理由には、部長がとても魅力的な人物であったことだった。

部長はカリスマ性が有り、未熟な彼や部員達を引っ張ってくれる感じがしていた。

事実、「理学部」は文化部のわりには沢山の新入部員が入部していた。



もちろん、彼もその一人であった・・・

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