第10話 負の努力
中学3年生になると、彼とあの人はまた別のクラスになった。
あの人との接点がまた無くなってしまったのだ。
彼は放課後、特に用事も無いのに図書室に通う様になった。
あの人は図書室の常連で、図書委員の友達とよく会話をしていたのだ。
彼はいつも図書室の端で本を読むふりをしながら、あの人の笑顔を横目で盗み見ていた・・・
夏休みになると演劇部は恒例の市の演劇祭のために、芝居の練習を毎日講堂で行っていた。
そこで彼は飼育委員に立候補して、動物の給餌を口実に夏休み中毎日学校へ来ていた。
そして彼は、ついでを装って講堂での演劇部の芝居の練習を見学していた。
そこを演劇部の顧問の先生に見つかり、彼は照明係として芝居の手伝いをすることになった。
彼は内心喜びながら、外側では嫌々手伝っている素振りをしていた。
今回の芝居でもあの人の役は、また主役の少年であった・・・・
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