「わたくし」が知っている「彼」についての幾つかのこと
わたくし
第0話 少年時代
まだ、昭和が暫らく続くと思われていた頃・・・
「彼」はごく普通の少年であった。
友達と野山を駈け巡り、池で鮒やザリガニと戯れ、
学校では勉学に、休日には少年野球に励んでいた。
成績は中の上くらいで、友達も沢山恵まれていた。
異性に興味を持つことより、男友達との遊びや野球の方に関心が多くあった。
一度、同級生の女子に仄かな憧憬を抱いたことがあったが、それ以上の進展は無かった。
その女子は上品な家庭のお嬢様で、下町育ちの彼に興味を持つことも無かった。
一生懸命に練習していた野球であったが、彼がレギュラーに選ばれることは無かった。
そして何事も無くごく普通に小学校を卒業して、彼は中学校へ進学した。
彼の通う中学は周りの三つの町の小学校から生徒が集まっていた。
その中学校で、彼は「あの人」に出会う・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます