おまけ・第六部完結記念座談会
スウェル城・某一室にて。
ヤルン=ヤ/キーマ=キ/ココ=コ でお送りします。
ノリしかありません。ご了承の上、お読みください。
3人)かんぱーい!
ヤ)あー、疲れたっ。今回もマジで疲れた!
キ)お疲れー。なかなかハードだったよねぇ。ヤルンが家出したり?
ヤ)家出っていうな!
キ)じゃあ出戻り?
ヤ)もっと遠ざかってる!?
コ)お疲れ様です。あとは、そうですね、
戦ったりしましたね
キ)よっぽどヤルンが出ていったのが腹立たしかったんじゃない?
コ)弟子想いなんですね
ヤ)絶対違う! 自分の思い通りに訓練が出来なくなって
イジけただけだろ
キ)こっちは手伝って貰えて助かってたのに
ヤ)あんなのじゃ見習い達に嫌われるんじゃないのか?
キ)なんで?
ヤ)……もういい。ココには悪かったな。仕事押し付けて
コ)いえ、普段はお任せしている書類なども見られて勉強になりましたし
ヤ)うっ、眩しい
コ)でも夜の訓練に参加出来なかったのは寂しかったので、
戻ってきて下さって本当に良かったです
ヤ)良かった理由が切ない!
キ)まぁまぁ、お茶でも飲みなよ
ヤ)くーっ
(一息ついて)
キ)そうそう、最近ふと考えたことがあってさ
コ)なんですか?
ヤ)またか。お前の思い付きはたまに怖いんだよ
キ)もし誘拐されたらどうする?
コ)えっ
ヤ)はぁ? ゆ、誘拐? 誰が
キ)だから、自分自身が
コ)ちょっと怖いお話ですね
ヤ)馬鹿だろ。何目的で俺達を誘拐なんかするんだよ
キ)目的? ヤルンの場合は魔力狙いかなぁ
コ)や、やけに現実的ですね
ヤ)……誰がどーやって? 一応俺、兵士なんだけど
キ)いや、そこは置いといて。
たとえば、気が付いたら馬車の中に転がされていて
ヤ)そりゃ、起きた途端に暴れるだろうな
コ)馬車は木端微塵になりそうですね……
キ)両手両足を縛られてたら?
ヤ)動けなくても発動出来る魔術なんざ幾らでもあるんだよ
コ)あぁ、でも口も縛られているかもしれませんよ?
ヤ)その時は……ぶち切れる
コ)木端ではなくて、粉微塵ですね
キ)あのさ、もうちょっと穏やかに解決しようと思わない?
ヤ)なんでだよ。物騒な手段に出てんのは犯人の方だろ
コ)犯人の意図や背景を探らないと、また同じことが起きる
恐れがありますよ。
実行犯は雇われただけの人間である可能性も……
ヤ)いや、とにかくぶっ飛ばす。犯人を泳がせておく時間はないからな
キ)時間がない?
コ)どういう意味ですか?
ヤ)お前らさぁ、大事なことを忘れてないか?
もし俺がいなくなったら、黙ってない人間がいるだろ?
2人)あー
ヤ)あのひと、どこに連れ去られようが絶対に追いかけてくると思うぞ。
で、犯人が何人いようが容赦なく叩き潰して終わり
コ)確かに、解決ですね
キ)なるほど……。凄く納得。じゃあ危ないのはココの方かもね
コ)わ、私ですか?
ヤ)あぁ、お嬢様だもんな。身代金目的で誘拐されるかも
コ)そんな
キ)万が一に備えて対策を考えておいたら?
コ)……お二人は助けに来て下さらないんですか?
ヤ)そりゃあ、行くさ。でもなー
キ)ヤルンは感知系が苦手だったよね。辿り着ける?
ヤ)う。ひ、人並みだよ、ひとなみ。俺だって、いざとなれば!
キ)ゴリ押しして叱られるんでしょ。テンプレだね
ヤ)うるさいな!
だったら、分かるようにココに知らせて貰えばいいんだよ
コ)なるほど。薄く広範囲に魔力を広げればいいんですね
キ)へぇ、そんなことも出来るんだ
ヤ)ココくらい制御が上手ければな
キ)やっぱり苦手なんだ
ヤ)広げるだけなら得意だぜ?
キ)それ自慢になってないよね?
ヤ)だーっ、問題が解決すれば、方法なんてなんでもいいだろ!
コ)でも、私も、もう少し抑える練習をされた方がいいと思います……
今はお城の敷地内なら迷いようがないくらいですし
ヤ)ココの感知能力が上がってるせいもあるだろ?
師匠以外には何も言われたことないぜ
キ)言えるような猛者がいないだけだったりしそう
ヤ)殴るぞ。つーか、城ってもう家みたいなもんだし、気が緩むんだよ。
外じゃ気を付けてるから良いじゃんか
キ)まぁ、スウェルにはもうヤルンを狙うような敵はいないかもね
コ)それは否定できないかも……?
ヤ)お前ら、俺をなんだと思ってんだ。そっちこそどうなんだ?
お前こそ、誘拐されたらどうするんだよ
キ)えー、そんな可能性あるかなぁ。理由が思いつかないな
ヤ)理由より解決方法。どーすんだ?
ココみたいに見つけてもやれないぞ
キ)んー、逃げ出せそうなら逃げるけど、付き合うのも面白いかも
コ)ええっ
ヤ)アホか! どうなるか分かんねーだろうがっ
キ)あはは、もしかしたら盗賊の手下とかにされちゃうかもねぇ?
コ)笑いごとじゃありませんよ。命がなくなるかもしれないのに
キ)どうだろう。お金も魔力もない男をさらうんだから、
せいぜい売り飛ばされるくらいだよ
ヤ)お前の価値観、マジでぶっ飛び過ぎ
キ)まー、ここにいる方が楽しそうだし、戻る方向で善処するかな
ヤ)……やめよう。頭痛がしてきた
(一息いれて)
コ)そういえば、この間ヤルンさんにお手紙が来てましたよね。
高そうな封書でしたけど、あれって……
ヤ)んー、あれな。お姫様からの催促状だよ。「まだかまだか」って
キ)まだ続いてるんだ? もう何年も経つのに
ヤ)あの人、諦めないと思うぞ。そういうところ、師匠と似たタイプかも
コ)それじゃあ、いつかは王都に?
ヤ)おう。騎士になるためにな!
キ)ぶれないねー、もうそろそろ諦めて本当に魔導師目指せば?
宮廷魔導師の方が可能性ありそうじゃない
ヤ)勝手に人の進路を決めんな!
お前らこそ、ずっとここにいるつもりか?
コ)私は、まだ
ヤ)ココらしいな。キーマは?
キ)ヤルンの傍にいるより、もっと面白そうなことが見付かれば動くかな
ヤ)聞いた俺が馬鹿だった。じゃあ、やっぱり俺が王都に行ったら……?
キ)ついていくだろうね
コ)王都まで? 凄いですね
ヤ)なんて堂々としたストーカー発言……! その執念、他に使えよっ
キ)まぁ、そんなにすんなり行かないと思うけどねー
ヤ)なんでだよ。
訓練だってちゃんとしてるし、あと少しで目標達成だっつの
キ)そう言って、ヤルンの人生設計、うまくいったことある?
ヤ)うっ。それは……、けど今度こそは!
コ)目標達成できるといいですね。私、応援します!
キ)あははは、色々とツッコみたくなるなぁ
ヤ)何が?
キ)ううん、こっちの話。放っておいた方が面白そうだしね。
さてと、そろそろお開きにしようか
コ)そうですね
ヤ)なんか引っかかるけど、そうだな。んじゃ、かいさーん!
《終》
◇追記:次回部分に「人物紹介&用語集」その2を追加しました。
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