梅雨夕焼け

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梅雨夕焼け

小学生の夏休み、友達とかくれんぼをしていたある日の事。


『みーつけたっ!』大きな声でそう言われ、私は目を開けた。


「ふわぁ〜 もう〜なかなか見つけてくれないんだもん」とすねたようにそう言うと、キミは『見つかってほんと良かった。もう帰ろう』と言って手を差し伸べてくれた。


「うん」とは言ったものの、体育座りをずっとしていたせいで足が痺れていた。よろけた拍子にキミの手を強く握ってしまい「あっ、ごめん」と、とっさに謝る。するとキミは『しょうがないよ。こんな狭い所で隠れてたんだもん。しばらくつかんでていいよ』と照れくさそうに言った。


茜色に染まる夕焼けを眺めながら、他の友達はとっくに帰ってしまった事、キミが必死になって探してくれた事を、手を繋いだまま話してくれたっけ。


目の前に広がる茜色に染まる夕焼けを見ながら、そんな事を思い出していた。


あれが私の初恋だったのかなぁ。

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