第24話 王都への帰還

やっとだ、やっと、マーグナスの港に帰って来た。


センタでは無事に船に乗れた。


海の上での海賊の襲撃や危険な動物との遭遇については

ミラセアとサキさんとキーラが万全の体制で


・・・僕の出る幕は全くなかった。



そして、僕は、ファイナ商会に顔を出す。


「こんにちわ、ナオです。やっとこっちに戻ってこれました」


 モーリスさんが笑顔で出迎えてくれる


「おかえりなさい、ナオさん。アマンダはバールキナに行ってるんですよ」


「そうでしたか、差支えなければ今夜、泊めて頂いていいですか?」


「もちろんです、是非泊っていってください」


「ありがとうございます。ところでモーリスさん、ここから国の東側にある村、

 カンカレラに行く予定なんですが、どういった道で行けば良いでしょうか?」


「あそこまで東だと、どうしても王都経由になりますね。

 王都からは東の都市カルストキア、さらに東の街カースサイダ

 それでやっとカンカレラ村ですね」


「・・・かなり遠いですね」


「はい、最短でも3週間はかかると思いますよ」


「長谷川さんって、車の免許もってました?」


「一応免許は持ってるけど・・・まさか、リストに自動車があったの?」


「はい、それも良いのがありました~」


「でも、たぶん軍用でしょ? そんな車、僕に運転出来るのかな?」


「まあ、やってみましょう。私もアレ、運転してみたいので動かし方を

 教えてくださいね」


「サキさん・・・運転って・・・異世界だから良いのかな?

 ところでモーリスさん、今度、獣人の人を説得するために

 カンカレラに行くつもりなのですが、

 獣人と話をするのに、気を付ける事はありますか?」


「どうでしょう、基本気のいい連中ですし、

 ただ、獣人の老人は頑固で頭が固いですよ」


「そうですか、どうやって説得するかですね」





そして、翌日


「長谷川さん、出しちゃってください」


【ストレージ】  ヴォン♬


出てきたのは、やけに幅の広いジープみたいな車だった。


「来たー!! ハンヴィー、カッコイイ!!」


「こんなの運転出来るのかな?」


いろんな所を細かくチェックしていく、ボタンやスイッチが多すぎる


「どんどん自信が無くなっていくよ、しかも左ハンドルだよ」


「長谷川さん、とりあえず色々やってみましょう」


とにかく色々とやってみた、とりあえず動かすくらいはできそうだ。


「ごめん、これ戦闘より疲れた」

ダウンしてしまった。


「でも、長谷川さん。王都まで馬車で6日ですが、ハンヴィーなら多分

 1日で到着しますよ」


 あの、ガタゴトから解放されるのか・・・・


「すごくやる気でてきた。明日、これで出発しよう」


そして、翌朝、モーリスさんに挨拶してから ハンヴィーで出発する。

ありがたい事に運転は、午前中で慣れてしまった。


「長谷川さん、そろそろ代わってください」

「いいけど、気を付けてね」

「は~い」


サキさんに席を譲って、運転してもらう

「サキさん、疲れたら言ってね」

「は~い」


1時間くらいで疲れたらしく、また運転を交代した。


そうして、無事、午後3時頃には王都に到着した。


大騒ぎは困るので、ハンヴィーをストレージに収納して


王都の門には入る


そのまま、王都のギルドに挨拶に行った。






受け付けで並んで順番を待つ

「おい、ドラゴンスレイヤーが

「どこかのバカに見せてやりたいな」


どうやら、どこかにバカがいるらしい・・・


「てめえが、ドラゴンスレイヤーか、ちょっと顔かせ」


どこかにじゃなかった・・・バカがいたよ、ここに。


とりあえず、無視、順番きたな

「ナオです、冒険者ランクB、王都に到着したので報告にきました。

 明日、カルストキアに向けて出発します。

 あと、パーティーネームを決めたので登録をお願いします」


「はい、ナオ様ですね。冒険者ランクの変更が指示されています。

 ナオ様はAランク、他の方はBランクに昇格されたした。

 他の方も昇格手続きを行いますのでギルド証の提出をお願いします」


他のメンバーもギルド証を提出する。


「後、こちらの用紙にパーティネームの記入をお願いします。

 はい、パーティネーム【カリキュレーター】ですね。

 では登録作業を行います。しばらく、お待ち頂きますか?」


ああ、待つのか・・・しょうがないな

「はい、わかりました」


後ろを見ると、バカがいるよ。黄色いツンツン頭の若い男だな

「てめえがドラゴンスレイヤーか、俺が勝負してや・・ガシッ」


あっ、なんか見た事のあるゴツイ人に両脇を抱えられて連れていかれた。


確か、タリアさんの所の人だな、向こうにタリアさんがいる、いってみよう

「タリアさん、ご無沙汰しています。助かりました」


「いや、面倒なのにからまれてたからね、まさか殺させるわけにもいかないしね

 ところで、今夜の宿は決めてあるのかい?」


「いえ、まだです。これから探そうかと」


「なら、ミラセアクアラ様とも話がしたいし

 あたし達が泊ってるところにおいでよ、宿に話をしておくよ」


「それは、ありがたいですね。場所を教えてください」


「ああ、東側の大通り沿いにある【オーガの饗宴きょうえん】だ

 料理の味は保証するよ」


「はい、ギルド証を受け取ったら伺います」


「ああ、待ってるよ」


そのうち、呼び出しが来た

カウンターでギルド証を受け取る、これでランクAになったか


「よし、じゃあ【オーガの饗宴】に行こうか」

その日は、肉料理が主の楽しい食事になった。



「タリアルモイラ、ちょっと聞きたいのじゃが?」

「なんですかミラセアクアラ様?」




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