第2話 姉視点

 ふっふふーん!! 前世では駄女神だったあたし。なんの因果か人間に生まれ変わっちゃったけど、双子の弟は気のいい元王子だから、ずーっと夢だったお高いアイスを食べるんだぁー。


 って、ごるぁ〜!! お小遣いが足りないだとぉ〜!? あんたはアイスを食べずとも、あたしは食べるって言ったら、食べるんだょぉ〜!!


「さっさと金出しな」


 ドスの聞いた声であたしが言うと、弟は財布ごとあたしに渡した。チャリーン。


 ……って、小銭ばっかりじゃないのさっ。


「お小遣いは?」

「こ、これで全部だけど?」


 買えないっ!! 夢のお高いアイスが買えないじゃないのさっ。これじゃあ、なんのために人間に転生してきたのかわからないじゃないっ!!


「あのさぁ、お姉ちゃん」

「なにっ!?」

「ぼく、これからお母さんにたのんで、お姉ちゃんが買いたいアイスの分、お小遣いもらってきてあげるよ」


 はんっ。こいつ、弟の分際であたしに恩を売ろうってのかい!?


 こっちはダテに駄女神やってたんじゃねぇんだわ。


「ふん。店員を魅了しちゃえば、タダでアイスがもらえるかもしれない」


 無理だ。弟はそう言うだろう。でも、あたしはあきらめないっ!! 高級アイスを食べるんだぁー!!


 つづく

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