前世では王子様だった少年と、前世では駄女神だった少女の話
春川晴人
第1話 弟視点
前世ってなんだろう?
かつて、王子だったぼくは、お城の召使いに裏切られて暗殺されてしまった。
まではよかったんだけど。
「ねー、ねー。帰りアイスおごってー」
なぜだ!? なぜ、前世で王子だったぼくと、前世でも駄女神だったらしい彼女が双子として生まれて来なければならなかったんだぁー!?
「アイス、おごってくれるよな?」
「……はい」
しかもなぜか、姉のおサイフ係だなんて解せない。どうしてこうなった!?
「あー、あたしぃー、バーゲンナッツのアイスね? チョコかかってるやつ」
「ちょっとまってよ。弟のぼくが外野フライアイスなのに、なんでお姉さんがその倍の値段のアイスなのさっ!?」
あまりの理不尽さに怒鳴ってしまったぼくを、姉が見下ろす。双子、だよねぇ? なんか姉の迫力、二倍マシじゃない?
「ああーんたがアイス買わなきゃいいんじゃないのっ!?」
ひどいよ。神様は理不尽だっ。こうなったらぼく、引きこもりになってやるっ!!
「言っておくけど、引きこもりを引きずり出すの、駄女神の得意技だから」
そんな属性知らないよー。っていうか、なんでぼくの思考回路を読めるのさぁー!?
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます